九州電力:電気供給約款には何が書いてある?

九州電力

電気供給約款とはどのようなもので、どのような役割をはたしているのか、説明します。

電気供給約款とは?

電気供給約款とは、一般電気事業者(大手電力会社10社)が、利用者に電力を供給する際の供給条件を項目ごとに詳細に規定したものです。これまで私達が電力会社と交わしてきた電気契約は、全てこの約款にのっとっています。電力自由化前までの電気料金は規制料金でしたから、この供給約款は電気事業法第19条第4項に基づいて経済産業大臣に届け出を行い、同大臣の認可を受ける必要がありました。

しかし、2016年4月からは電力小売市場の完全自由化によって、いよいよ一般家庭などの低圧需要家向け電気販売も自由料金制へと移行しつつあります。これまで規制料金で電力を販売してきた大手電力会社も、自由料金制で電力販売を開始した新電力に対抗する必要が出てきました。

このような電力小売市場の変化を受けて、2016年4月1日からは2014年改正電気事業法が施行され、従来の電気供給約款は以下4種の「約款」へと移行しました。

  1. 送供供給約款(2014年改正法第18条):送配電料金に関する約款で、すべての電気料金に含まれる。
  2. 最終保証供給約款(同20条):電力会社が倒産した時などに適用される約款。
  3. 離島供給約款(同21条):離島向け電気料金を定める約款。
  4. 特定小売供給約款(同16条):経過措置期間中に適用される規制料金。

九州電力も2016年4月1日以降、料金メニュー別の「選択約款」に終期を設け、新規加入受付を終了しています。電気供給約款については当面の間、規制料金として維持される予定ですが、将来的には自由料金制へと向かうことになります。電気供給約款はしたがって、電気料金が規制料金制であったころの最後の灯火的存在といえるでしょう。

電気供給約款の内容

九州電力の電力供給約款は全166ページ、9章からなります。内容は以下のような構成となっています。

九州電力電力供給約款

自由料金制に移行すると経済産業大臣の認可無しに電気料金が設定されることになります。

  1. 総則(適用、定義、実施細目などについて)
  2. 契約の申し込み(需要契約、需要契約、供給の開始、単位、限界、需給契約書の作成に関して)
  3. 契約種別および料金(契約種別、定額電灯、従量電灯など)
  4. 料金の算定および支払い(料金適用開始日、検針日、算定期間、電力量の計量、支払い義務と期日、支払い方法、延滞利息など)
  5. 使用および供給(適正契約の保持、力率の保持、供給停止とその解除、違約金、供給の制限もしくは中止、その料金割引、損害賠償の免責など)
  6. 契約の変更および終了(供給契約の変更、名義変更、供給契約の廃止、変更・変更に伴う料金、工事費清算、解約など)
  7. 供給方法および工事(供給地点および施設、各種引込線、中高層集合住宅への供給方法、専用供給設備など)
  8. 工事費の負担(供給設備の工事費負担金、工事費の算定、臨時工事費など)
  9. 保安(保安の責任、調査、調査などの委託、調査および保安に関する利用者の協力、検査・工事の委託、自家用電気工作物など)
  10. 附則・別表

料金メニュー別選択約款

九州電力はこのほか、料金メニュー別の選択借款を提供していました。しかし、前述のように、2016年4月1日から以下のメニューについて新規加入受付を終了しています。

4月1日から早々に選択約款にストップをかけ、自由料金制への動きをみせている九州電力。自由料金制になると、経済産業大臣の認可は不要となりますので、消費者である私達が契約の内容をしっかり吟味していく必要が増すと思われます。