電気代の計算方法、検針票の内訳|東京電力(TEPCO)
東京電力の「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」には、電気料金の内訳が示されています。基本料金や電力量料金など、それぞれの料金の内容について確認して、毎月の電気代がどのように計算されているかを理解しましょう。他の電力会社との料金比較の際にも役立つ情報です。
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東京電力:電気料金の構成
東京電力に毎月支払う電気代は、大きく4つの要素から構成されています。ひとつひとつを確認して、電気代がどのように計算されているかを理解しましょう。
東京電力は複数の電気料金プランを提供していますが、ここでは、一般のご家庭向けプランでもっとも契約者数の多い「従量電灯B」を主な参考として解説します。なお、他のプランでも、金額設定は異なるものの、基本的に電気料金の構成は同じで、以下の4つの要素で成り立っています。
基本料金
基本料金は、電気の使用量の多少にかかわらず、毎月かかる固定額の料金です。従量電灯Bでは、基本料金は契約アンペアの大きさによって決定されます。
なお、全く電気を使用しなかった場合、従量電灯Bでは基本料金が通常の半額になります。ただし、同時に「最低月額料金(235.84円)」が設定されており、基本料金の半額が最低月額料金よりも低い場合は、基本料金の代わりに最低月額料金を支払うこととなります。
東京電力・従量電灯Bプランの基本料金は、契約アンペアの大きさに比例して高くなるように設定されています。
契約アンペア | ひと月あたりの基本料金 |
---|---|
10A | 311.75円 |
15A | 467.63円 |
20A | 623.50円 |
30A | 935.25円 |
40A | 1247.00円 |
50A | 1558.75円 |
60A | 1870.50円 |
一方、電力自由化以降は、契約アンペアの大きさにかかわらず、基本料金が0円の電気料金プランを提供する新電力も登場しています。
契約アンペア数に関係なく基本料金が無料の電気料金プラン全国(離島を除く)で利用できるLooopでんきの電気料金プラン「おうちプラン」は基本料金ゼロ円・従量料金は1段階のシンプルな料金設定です。極端に使用量が少ない場合を除き、大手電力会社よりお得なプランです。
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電力量料金(従量料金)
電力量料金(従量料金)は、電気の使用量に応じてかかる料金です。電気の使用1kWhあたりの単価が設定されており、この単価にひと月の電気使用量(kWh)をかけて、電力量料金が決まります。
東京電力の従量電灯Bプランをはじめ、多くの電気料金プランにおいて、電力量料金には「三段階料金制」という制度が適用されています。これは、電気の使用量が多くなるにつれて1kWhあたりの電力量料金の単価が高くなる料金設定のことです。
電力使用量 | 1kWhあたりの単価 |
---|---|
120kWhまで | 29.80円 |
120kWhを超えて300kWhまで | 36.40円 |
300kWh以上 | 40.49円 |
電力量料金の設定は三段階料金制が主流ですが、電力自由化後は、一定の使用量までの電力量料金が定額になっているプランや、電気使用量にかかわらず1kWhあたりの単価が一律のプランも登場しています。また、オール電化住宅向けのプランなどでは、時間帯や季節によって電力量料金の単価が異なるものもあります。
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燃料費調整額
燃料費調整額は、電気を作るのにかかる燃料のコストの変動を電気料金に反映させるための料金です。
火力発電で使う原油・天然ガス・石炭などの燃料は、その多くを輸入によって調達しているため、輸入価格や為替レートの影響を大きく受け、常に変動しています。この変動分を調整するために設けられているのが燃料費調整額で、飛行機の燃油サーチャージと似たしくみになっています。
燃料費調整額は、毎月1kWhあたりの単価が設定され、その単価にひと月あたりの電気使用量(kWh)をかけて金額が決定します。燃料コストが下がれば燃料費調整額の単価はマイナスに、逆に燃料コストがあれば燃料費調整額の単価はプラスになります。
2021年5月分 | -3.64円/kWh |
---|
燃料費調整額は毎月単価が変わります。
この燃料費調整額の制度は多くの電力会社で採用されています。多くの新電力は、供給している地域にある大手電力会社と同額の燃料費調整額を設定しています(例えば、関東エリアなら東京電力、関西エリアなら関西電力・・)。ただし、中には燃料費調整額を設定しておらず、その代わりに毎月の電力量料金が変動するプランを提供している新電力もあります。
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再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)とは、2012年7月1日より「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法 」に基づいて、電気を利用する全ての人からの徴収が義務化された税金です。
再エネ賦課金も、1kWhあたりの単価が設定されており、これに電気使用量(kWh)をかけて金額が決まります。再エネ賦課金の単価は全国一律で、毎年度経済産業大臣によって定められています。
2021年度 | 3.36円/kWh |
---|
2021年5月分~2022年4月分に適用されます。
なお、私たちが支払う再エネ賦課金は、電力会社が再生可能エネルギーを購入する費用を賄うために使用されます。他の電源と比べて高コストな再生可能エネルギーの利用拡大が目的です。
口座振替割引
東京電力の電気料金を口座振替で支払うと、毎月55円(税込)が割引きになる「口座振替割引サービス」が自動的に適用されます*。
*ただし、当割引サービスが対象となる料金プランは、従量電灯、低圧電力、臨時電灯B、臨時電灯C、公衆街路灯B、臨時電力、農事用電力に限られます。
また、クレジットカードでの支払いとどちらがお得かは、使用しているカード会社や毎月のカード支払額などによって異なるため、ご自分のカード会社の特典と照らし合わせて決めるとよいでしょう。
東京電力:ひと月あたりの電気代の計算方法
東京電力の電気料金の構成を確認したところで、続いては実際に電気料金を計算してみましょう。
電気の仮定使用条件は以下のとおりです。
- 条件
- 契約プラン:東京電力 従量電灯B
- 契約アンペア:40A
- 2021年5月の電気使用量:450kWh
- 口座振替割引:なし
基本料金 | |
---|---|
40Aで契約 | 1247.00円 |
+ | |
電力量料金 | |
120kWhまで 29.80円/kWh | 120kwh × 29.80円=2,385.6円 |
120kWhを超えて300kWhまで 36.40円/kWh | 180kWh × 36.40円=4,766.4円 |
300kWh以上 40.49円/kWh | 150kWh × 40.49 円=4,585.5円 |
+ | |
原料費調整額 | |
2021年5月分:-3.64円/kWh | 450kWh × -3.64円=‐1,638円 |
+ | |
再生可能エネルギー発電促進賦課金 | |
2021年度:3.36円/kWh | 450kWh × 3.36円=1,512円 |
合計 | |
12,755円 (合計金額の小数点以下の単位は切り捨て) |
したがって、上記条件で計算するひと月あたりの電気代は、12,755円となります。
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電気代を安くするには?
ここまで見てきた東京電力の電気料金の構成をふまえて、どのように電気代を安くすることができるかを考えてみましょう。
契約アンペアを見直す
東京電力従量電灯Bの基本料金は、契約アンペアの大きさに比例して高くなっています。そのため、契約アンペアを下げれば、基本料金を安くすることができます。ただし、誰でも契約アンペアを下げられる、というわけではないので注意が必要です。契約アンペアの大きさは、ご家庭で「一度に使える電気の最大容量」を決めています。
そのため、例えば世帯人数が多く、たくさんの電化製品を一度に使用することが多いご家庭であれば、ある程度大きいアンペア容量が必要です。逆に、たくさん電気を使用するにもかかわらずアンペア容量が足らないと、ブレーカーが落ちる原因となります。
逆に、「一度に使う電気の量は少ないのに、契約アンペアが大きい」という場合は、必要以上に高い基本料金を払っていることになるため、契約アンペアを下げることによって、基本料金を節約することができます。
必要なアンペア数の計算方法や、東京電力で契約アンペア変更をする方法はこちらでご覧ください。
電気の使用習慣を見直す
電力量料金は、電気の使用量が多くなるほど高くなります。ご自宅の電気代が平均よりも多い場合、電気の使用量が必要以上に多い可能性があり、電気使用の習慣を見直す必要があるかもしれません。
使わない照明はこまめに消す、冷暖房の設定温度を上げすぎない/下げすぎないなど、無駄のない電気の使用を心がけると良いでしょう。
電力会社を切り替える
最後に、基本料金や電力量料金の金額は、電力会社によって異なります。電力自由化以降、東京電力よりも安い電気料金プランを提供する新電力がたくさん登場しています。したがって、電力会社を切り替えることで、電気料金を安くすることが可能です。
電気の切り替えは、ご利用中の電力会社の契約情報(お客様番号・供給地点特定番号など)がわかれば、インターネットや電話で簡単に手続きを行うことができます。
契約アンペア容量にかかわらず基本料金が0円の電力会社や、東京電力と比べて料金設定が10%割安な電力会社など、お得な電気料金プランは様々です。電気代を安くしたいと思ったら、これらの新電力への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。