ふるさと納税で電気代が安くなる?地域発電の「再エネ電力」が返礼品に!~光熱費削減の新時代プラン~

ふるさと納税のお礼に「再エネ電力」が選べる!その仕組みとは
今、ふるさと納税の“返礼品”に「電気」が加わり、注目を集めています。
ふるさと納税で、サービス提供をしている自治体を選び寄付をすると、寄付額に応じてその地域の再生可能エネルギーによってつくられた電力が提供される、というもの。
通常のふるさと納税では、地元の特産品や食品などの物品が返礼品となりますが、この場合は、寄付先の自治体が地元で発電した再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスなど)を「地場産品」として受け取り、毎月の電気料金から割引される仕組みです。

*出典:PR TIMES「ふるさとチョイス」お礼の電力
例えば、ある自治体にふるさと納税を行うと、提携する電力会社*を通じて、寄付額に応じたkWh(キロワット)分の電力が提供されます。
その電力量分の電気料金が差し引かれることで、実質的に寄付者の電気代が軽減される、というわけです。
*寄付者は、寄付後に指定電力会社と対象の電気料金プランの契約を行う必要があります。
毎日の電気代を「ふるさと納税で割引」するサービスとして、地域経済の貢献のみならず、光熱費の節約にもつながる新時代の取り組みと言えるでしょう。
なお、「再エネ電力」による電気料金割引の適用方法には、自治体・電力会社によって以下の2つのパターンがあります。

*出典:ふるさとチョイス「お礼の電力」電気料金の適用パターン
- 使った分だけ電気料金から割引が適用
- 月ごとに電気料金から割引が適用
電気料金の割引適用パターンや返礼電力量(割引額)、割引期間などは寄付する自治体によって異なります。ご自分の希望に即した内容を選びましょう。
利用者のメリット・注意点は?
ふるさと納税の返礼品として「電力」を利用することで、得られる寄付者の大きなメリットは以下の3つです。
- ふるさと納税「再エネ電力」のメリット
- 電気代が節約できる
- 地域経済の活性化に貢献できる
- 地球環境に貢献できる
メリット 毎月、電気料金が割引に!
私たちが毎月支払う電気代は、一般的に以下の4つの電気料金から成り立っています。

▶一般的な電気料金の内訳
ふるさと納税のお礼の「再エネ電力」は、上記4つの電気料金のうち、電気を使った分だけかかる「②電力量料金」から、毎月ふるさと納税の返礼分が差し引かれることで、普段の電気代よりも請求額が安くなる仕組みです。
※「基本料金」「燃料費調整額」「再生エネルギー賦課金」は対象外
メリット 地域経済の活性化に貢献
ふるさと納税を通じて、再エネ電力サービスを提供している自治体に寄付をすることで、地域の再生可能エネルギーの活用・普及を促し、地域の経済発展に貢献できます。
メリット 地球環境にも貢献
現在、ふるさと納税の返礼品として提供されているのは、地元でつくられた「再生可能エネルギー」の電気のみ。4人家族から排出されるCO₂はおよそ年間1.8トンと言われており、この量のCO₂を吸収するのには、杉128本分が必要とされています。
しかし、再生可能エネルギーの電気を利用すると、この杉128本分のCO₂の排出が抑えられる計算です。
このように、CO₂を排出せず、地球にもやさしい再生可能エネルギーを利用することで、環境にも貢献することができます。
利用の際の注意点
ふるさと納税の返礼品として「再エネ電力」を利用する際には、お住まいのエリアにより寄付できる自治体が異なります。また、以下の点にも注意が必要です。
- 居住エリアが、対象の電力供給エリアか?
- 申し込み条件を満たしているか?
- 電力会社or電気料金プランの契約切り替えが必要
特に、ふるさと納税で「再エネ電力」をお礼として受け取るには、ふるさと納税サイト上での申し込み後に、対象の電力会社・電気料金プランの契約切り替えが必要です。
電力会社・電気料金プランの切り替えステップについても事前に確認しておきましょう。
「再エネ電力」を受け取るための4ステップ
ふるさと納税で「再エネ電力」を返礼品として受け取るために必要な手続きは、以下の4ステップです。
【STEP1】ふるさと納税で返礼品として「再エネ電力」を選び、自治体へ寄付
※電力会社によって対応エリアが異なるため、居住エリアが対象可能かどうか、必ず事前に確認しましょう。
【STEP2】電力会社の契約切り替え・電気料金プラン変更の申し込み
電力会社から契約申し込みのための必要書類が郵送されるので、必要事項を記入して返信用封筒で返信します。(※電力会社によっては、WEB申し込みも可能な場合あり)
※現在契約中の電力会社の場合は、電気料金プランの変更申し込みを行います。
電気の契約申し込みには「供給地点特定番号」と現在契約中の電力会社の「お客様番号(契約番号)」が必要です。
これらの番号は電気の検針票や電力会社のマイページ等で確認できます。事前に用意しておくと手続きがスムーズです。
なお、現住所での電気の契約切り替えでは、現在契約中の電力会社への解約手続きは不要です。これから契約する電力会社が代理で解約手続きを行います。
【STEP3】切り替え完了後、お礼の「再エネ電力」が利用可能に!
電力会社が切り替わるまでに約1〜2ヶ月かかります。
切り替え完了後、毎月の電気料金からお礼の「再エネ電力」分が差し引かれます。
【STEP4】申請手続きをして税金の控除を受ける
最後に、ふるさと納税を行った翌年の1月~3月に寄付額の控除を受けるための申請も忘れずに行いましょう。
手続きには、「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2つの方法があります。
「ワンストップ特例制度」は、会社員や年金生活者など確定申告が不要な人が対象です。最大5自治体までの寄付であれば、ワンストップ特例制度を利用できます。
「確定申告」は、個人事業主や副業収入のある方など確定申告が必要な人は寄付金受領証明書を基に確定申告を行います。
税金の控除を受けるには、寄付をした自治体から、確定申告を行う際の寄付を証明する書類「寄付金受領証明書」または、利用したふるさと納税サイトに申請するともらえる「寄付金控除に関する証明書」が必要です。
これらの証明書は、税金控除の申請手続きまで大切に保管しておきましょう。
どんな自治体がどんな電気を提供している?
自治体や電気の供給エリアによって、選べる電気は様々。ここでは、どんな電気が選べるか、電力エリアごとに再エネ型返礼品の一部をご紹介します。
✅【全国エリア(沖縄・離島を除く)】岡山県西粟倉村「百森でんき」

▶岡山県西粟倉村「百森でんき」
- 寄附金額:30,000円~400,000円
- 返礼電力量:3,000円×3か月分~10,000円分×12か月分
- 発電方法:小水力発電
✅【東京電力エリア】群馬県中之条町

▶群馬県中之条町「中之条町の再生可能エネルギー」
- 寄附金額:250,000円
- 返礼電力量:2,500kWh(75,000円相当)
- 発電方法:太陽光発電、小水力発電
✅【関西電力エリア】岐阜県飛騨市

▶岐阜県飛騨市「ふるさとECOプラン from 飛騨市」
- 寄附金額:100,000円
- 返礼電力量:15,000円相当の電気+15,000円分の特産品
- 発電方法:水力発電(神通川水系)
✅【九州電力エリア】鹿児島県薩摩川内市「九州限定プラン」

▶鹿児島県薩摩川内市「九州限定プラン」
- 寄附金額:20,000円~240,000円
- 返礼電力量:6,000円相当~72,000円相当
- 発電方法:風力発電
※対象自治体の電力返礼品の詳細については、ふるさとチョイス「お礼の電力」特集でご確認ください。
全国に広がる、ふるさと納税による「電気」の返礼品
電気料金の高騰や節約志向の高まりを背景に、ふるさと納税の「電気」による返礼品は右肩上がりに増加しています。
例えば、中部エリアの大手電力会社「中部電力ミライズ」では、複数の自治体と連携して「Greenでんき」を提供するなど、再エネ型返礼品の動きは全国に広がっています。

※出典:中部電力ミライズ「ふるさと納税×Greenでんき」
ふるさと納税で“光熱費の節約”を始めよう
ふるさと納税で、地域で発電された再生可能エネルギーによるクリーンな電気を地場産品として提供する「再エネ電力」は、電気料金の節約につながるだけでなく、新しい形の地域振興と脱炭素を両立させる先進的なモデルと捉えられます。
寄付件数の増加に伴い、今後ますます再エネ型返礼品を提供する自治体は増えると見られています。それに伴って、対応エリアの拡大や寄付プランの多様化も進むでしょう。
一時期、ふるさと納税は返礼品の豪華さやお得さがトレンドとなっていた時期もありましたが、再エネ型返礼品は、ふるさと納税の本来の趣旨を汲み取ったお礼の品と言えます。
これからは、地域・環境へ貢献できる「お礼の電力」を通じて、電気代を節約するのがトレンドになるかもしれません。
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