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電力業界における経済産業省の役割とは?

電力業界における経済産業省の役割

ここでは、電力業界における経済産業省の役割について説明します。

エネルギー庁とは?

経済産業省の外局の1つである資源エネルギー庁が、石油・電力・ガスなどのエネルギーの安定供給政策や、省エネルギー・新エネルギー政策の担当をしています。この機関の主な役割は、エネルギー全体の総合的な政策立案・実施です。電力業界の構造や仕組みといった大きな枠組を整備しているのがエネルギー庁です。

電気事業者の規定

日本では、電気事業法により電気事業の運営が規制されています。この法律により、以下の6つの事業者の種類が規定されています。

  1. 一般電気事業者:一般の需要に応じて電力を供給する事業者。現在は、東京電力・中部電力・関西電力…等、10電力会社が該当します。
  2. 卸電気事業者:一般電気事業者に電気を供給する事業者。発電の元がこの業者です。
  3. 卸供給事業者(IPP):独立発電事業者と呼ばれる。
  4. 特定規模電気事業者(PPS):一般電気事業者が供給する電路線を通じて電力供給を行う事業者。小売自由化部門への新規参入者。
  5. 特定電気事業者:限定された区域に対し、自らの発電設備や電路線を通じて電力供給を行う事業者。

これに基づいて、誰が何をするかが明確に定められており、電力業界の構造の基礎となっています。

電気料金の仕組み

現在の日本の電力市場は、需要側が自由に供給業者を選択することができる自由化部門と、供給相手は一般電気事業者に限定されているものの、電気料金は電気事業法によって規制・保護されている規制部門(※電力自由化により自由化部門になります)の2つに分かれています。ビルや工場などの高圧で電気を使用する需要家は、小売事業者との自由交渉により電気料金を決定します(自由化部門)。一方、一般家庭などの低圧で電気を使用する需要家は、地域の電力会社から供給を受けることになり、その料金は電気事業法によって定められた方法で決定されます。

電気の計量制度

エネルギー管理や電気料金の支払いに不可欠なのが、電気使用量の適正な計量です。計量法による電気の子メーターの検定有効期間確認のための立入検査は行政機関(各自治体の計量検定所、計量検査所)自身によって行われています。計量法の目的である「適正計量の実施の確保」は、安定した国民生活のためには重要なものであることがわかります。

紛争等申出受付窓口

経済産業省では、事業者間紛争を処理するため、紛失等申出窓口を設置し、紛失等案件を受け付けています。申出があった電気事業法に係る紛失等案件については、事業者に事実確認または任意調査を行い、必要に応じて電気事業法の報告徴収または立入検査を行います。

電力自由化後の役割

以上のように、経済産業省は、電気事業法に基づいた電気事業制度の整備・価格規制、事業者間の紛争解決といった、市場全体のバランスを取る役割を担っています。

では、電力自由化後の役割はどうなるのでしょうか?政府は電力システム改革の目的として、

  • 目的
  • 安定供給を確保する。
  • 電気料金を最大限抑制する。
  • 需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大する。

の3つをあげています。また、これらを達成するために、

  • 3本柱
  • 広域系統運用の拡大。
  • 小売及び発電の全面自由化。
  • 法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保。

の3つを掲げています。少し複雑になってきましたが、簡単にいうと、価格規制の撤廃により政府の市場への直接介入はなくなり、政府は市場構造の整備・監視といった役割が大きくなります。

現在、地域の電力系統をまたいだ電力の使用が円滑に行われることを目的とした電力広域的運営推進機関が資源エネルギー庁の監督下で発足し、また、適正な電力取引や、送配電部門の中立化を確保するための行動規制などを監視することを目的として、経済産業省直属の電力取引監視委員会(仮称)の設置が進められています。

経済産業省は「電力業界」という大きな箱の整備・監視を主に担当し、箱の中は競争原理に任せる、という役割の変化が見られそうです。