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電気の託送料金とは?

電力の小売り全面自由化にともなって、話題になっている託送料金とは、いったいどのようなコストなのでしょうか? 調べてみました。

電力供給の流れ

電気の託送料金とは?

赤が発電事業、青が送配電事業、緑が電力小売事業に相当。

託送料金とは、電気事業者が他社の送配電網を利用して需要家に電力を供給する際に、送配電事業者に支払う料金です。

電力が各家庭に供給されるまでには、発電、発送電、小売りの3段階を経ます。全面自由化によって発電事業と小売事業は自由競争市場となりますが、送電事業は引き続き電力大手10社が行います。

このため、新たに市場に参入してくる新電力事業者は、ライバルである電力大手から送電事業サービスを受けるために託送料金を支払わなくてはなりません。託送料金がいくらになるかが注目される所以です。

託送料金が割高に設定されるか、割安に設定されるかによっては、今後の自由化の展開も大きく変化していきますので、その動向はとても重要となります。

電力広域的運営推進機関の役割 電力広域的運営推進機関(略称は広域機関)は、2004年6月に経済産業大臣によって「送配電等業務支援機関」と指定されて以来、送配電等業務の円滑な実施を支援して来た「電力系統利用協議会」を継ぐ形で、2015年4月1日に発足しました。 新電力が公平な条件で従来電力会社の電力系統を利用でき、健全な競争と安定した電気供給が行われるために考案された中立的機関として、監視役を務めています。

自由化前の託送料金

自由化前の2015年10月現在の電力大手10社の託送料金は以下の様なものです。

自由化前の電力大手10社の託送料金
電力会社 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄
託送料金(円) 8.75 9.94 8.88 8.99 8.80 8.18 8.45 8.99 8.27 11.5

離島を抱え、広域で融通し合える本土と違って、単独で対応する必要がある沖縄はその他の電力会社より割高ですが、総じて約9円前後が電気料金に上乗せされ電気料金単価が設定されていると考えることが出来ます。

自由化後の託送料金は2015年末までに判明?

電気の託送料金とは?

鉄塔に配された送電線。

8月3日の「小売電気事業の事前登録の受付開始」を前に、電力大手10社は、2016年4月の電力小売全面自由化後の託送料金を経済産業省資源エネルギー庁に申請しました。

7月29日に申請を行った北陸、中国、沖縄電力の3社が提示した託送料金はいずれも現行料金と同額で、現行水準を維持する傾向が見られます。その他7社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、四国電力、九州電力)も認可申請を7月31日までに完了。審査は託送料金の審査と自由化後の制度設計を担うことを目的に9月1日に設置された電力取引監視等委員会が行い、2015年内には電力10社の託送料金が決定すると見られています。

したがって、少なくとも2016年4月の小売り全面自由化直後に託送料金が大きく変化することはなさそうです。しかし、2015年7月17日に参議院を通過し成立した改正電気事業法では、改革第3弾として2020年をメドに電力会社の発送電分離の実施を見込んでいます。

これを見越してか、東京電力、中部電力、東北電力、北海道電力の4社はすでに、送配電部門で提携する方針を固めています。これまで各社が個別に発注してきた電柱や電線を共同で調達することで、東電だけでも数百億円と推算される大幅なコスト削減が可能になるとみられています。送電網を共同運営することで、再生可能エネルギーで発電した電力の送電の仕組みが一層強化されることが期待できるほか、託送料金が低く抑えられるため新電力による電力販売参入のバックアップとなるとも考えられています。

今後、託送料金がどのように変動していくか、ますます注目されそうです。