電力メーターの正しい見方とその種類
電力メーターとは使用電力を積算して計量する機器のことで、使用電力を数値化することができます。この数値をもとに、エネルギー管理や電気料金の支払いを行います。電力メーターの正しい見方とその種類について調べました。
- 毎月の電気の使用量を測定しているのが電力メーターです。
- 従来型は機械式電力メーターです。そしてスマートメーターへの切り替えが進んでいます。
- 今後、全世帯に普及されるスマートメーター。見方もご紹介します。
電力メーターはスマートメーターへ
- 今後、全世帯にスマートメーターが普及していく
- 電力会社を切り替えるにはスマートメーターの設置が必要
- スマートメーターへの切替は旧一般電気事業者の送配電部門が担当
- スマートメーターへの切替工事は無料
各家庭の月々の電気の使用量を測定してくれているのが電力メーターです。戦前は、電力メーターが存在していなかったため、使用量に関わらず電気代は一定だったようです。しかし現在は、電力メーターが各契約者の電気の使用量を読み取り、それに基づいて電気料金が請求されます。
ご存知の通り、電気の消費量にはkWh(キロワットアワー)という単位が使用されます。電気料金もkWhあたりいくらで設定されていますね。
従来型の電力メーターであれば、検針員と呼ばれる係員が読み取った数値を確認し、「検針票」もしくは「電気ご使用のお知らせ」を発行して電気料金を各家庭に知らせています。そして現在、この従来型の電力メーターはスマートメーターと呼ばれる新しい電力メーターへと切り替えが積極的に進められています。
約2700万台の低圧メーター数を抱える東京電力は2020年度末までにすべての電力メーターをスマートメーターに切り替える予定で、2024年度末までには他の電力会社管轄地も含め、全国の低圧メーターがスマートメーターへと切り替えられる計画です。
ちなみに、電力会社の切り替えをする場合は、一連のプロセスの中にスマートメーターへの切り替えが含まれています。ご自宅の電力メーターが従来型のものならば、まずはスマートメーターへの取り換えが必要になります。
スマートメーターへの切り替えの作業自体は、旧一般電気事業者の配送電部門の技術者(もしくはすでに子会社化されている同じグループの別会社)が担当し、工事費用は無料です。
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機械式電力メーター
これまで使用されてきた従来型の電力メーターは機械式電力メーターと呼ばれています。
機械式電力メーターは表面が透明で中をみることができます。中にはCDの円盤のようなものがあり、電気を使用するとこの円盤が回るようになっています。
計器の内部には電力に応じて回転する円盤があり、その回転数をもとに使用電力量を表示します。最小桁(5桁目)の右に目盛りが付いており、6桁目まで見ることができます。
さらによくメーターについているプレートを見ると、「○○rev/kWh」と書いてあるのが確認できます。これは「円盤が○○回転するごとに1kWh(キロワットアワー)使用したとして測定します」という意味になります。
機械式電力メーターはスマートメーターへの切り替えが進められていますが、現在でも引き続き多くの家庭で設置されています。 機械式電力メーターには以下のようなデメリットがあることが指摘されています。
機械式電力メーターのデメリット
- 検針員が毎月チェックする必要があるため、コストがかかる
- 振動・衝撃・傾斜等に弱く、正確な計測が難しい
- 円盤の回転数により電気使用量が見えるため、在宅の有無が推察されやすい
機械式電力メーターの見方
機械式電力メーターは電気の使用量がダイヤル式で表示されます。ちなみに、電気の使用量がkWh(キロワットアワー)という単位でカウントされます。電力メーターにも、電気の使用量のお知らせをみても必ずkWh(キロワットアワー)の表示があります。
そして実際の使用量に関しては、今月の表示数から先月の表示数をマイナスすることで=今月の使用量を出すことが可能です。
例えば、今月、5108.3(kWh)と表示されており、先月が4788.2(kWh)だった場合は、5108.3-4788.2=320.1(kWh)となります。また、小数点以下は読み取りませんので、今月の消費電力量は320kWh(キロワットアワー)となります。
このように電力メーターに表示される電気の使用量を各電力会社の検針員が読み取り、請求書を発行しているのが従来の電力メーターです。
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スマートメーター
スマートメーターとは従来の機械式のメーターとは異なり、デジタルで電力の消費量を測定するものを指します。
スマートメーターの見た目はメーカーによって異なりますが、電気の使用量が表示される部分がダイヤル式からデジタル式になり、以前はメーターの中で回っていた円盤のようなものがありません。 従来の電力メーターの場合は、検針員が各家庭や建物を訪問し、電力メーターの数字を直接読みとって電気料金を計算するというマニュアル方式で電気料金が確定されていました。
一方、スマートメーターの場合は、電力メーターの数字を読み取るために、人間が直接建物に行く必要がなくなります。というのも、スマートメーターが読み取ったデータは通信によって各電力会社のサーバーに直接送られるからです。そのため、いったん、ご自宅の電力メーターがスマートメーターに交換されれば、電力消費量(kWh)を確認するために検針員が来ることはありません。
さらにスマートメーターが一度設置されると、電気の使用を「見える化」することができます。 これまでは月に1度の電力の検針によってはじめて前月の電気使用量が知らされる仕組みでしたが、スマートメーターの設置によって電気使用量が簡単にデータ化されるので、電気使用量をもっと細かく把握できるようになります。
具体的にはHEMS(ヘムス)と連動させることで、どの時間に、どのような用途で電気を使用しているのか、また、どの季節のどの時間帯に電気をよく使うか、または家の中の各電化製品の電力消費量も分かるようになります。このようにスマートメーターの設置により、自宅の30分毎の電気使用量が把握できたり、電気を使う傾向が見えたりすることで、節電をより意識しやすくなることも期待されています。
スマートメーターのメリット
- 検針員による読み取り作業が必要なくなる
- 電気の使用量が30分毎に見える
- 節電意識を高めることできる
- 高齢者の見守りなど他のサービスへの利用も期待できる
スマートメーターのデメリット
- データが流出した場合、電力消費についてすべて把握されてしまう危険がある
- 検針員の雇用が喪失される
HEMSとは?HEMSとは“Home Energy Management System(ホームエナジーマネジメントシステム)”の略です。ヘムスは住宅内のエネルギーをより効率よく使うためのITシステムのことで、簡単に言うとITを利用して家庭内の省エネやCO2の削減を助けてくれる便利な機能といえます。 HEMS導入によって可能になることは主に二つあり、家庭内のエネルギー(電気やガス)の使用量の「見える化(表示)」とその使用量を最適化する「制御」ができるようになります。 より具体的な例をあげると「見える化」については、誰もいない部屋の電気がつけっぱなしだった場合、HEMSを導入していればそれをスマートフォンで確認することができます。また外出時など家にいなくてもその部屋の電気を消すことも可能です。また、電気をよく使う電化製品(テレビ、パソコン、エアコンなど)や時間帯を見える化することで、家庭のエネルギー消費の傾向を把握することにも役立ちます。 HEMSによる電力の制御に関しては、節約に直接つながる効果もあります。例えば電力の契約プランの中には、電気を使用する時間帯や季節によって料金単価が異なるものが多くあります。HEMSがあれば、深夜の料金が安いプランを契約し、洗濯機、食洗器、電気自動車の充電などを安くなる時間帯に作動するように「制御(コントロール)」して電気代を節約することが可能になるのです。
スマートメーターの見方
スマートメーターの場合はどのように電気の使用量を把握すれば良いのでしょうか?もちろん、スマートメーターでも電気の使用量を測るのにはkWh(キロワットアワー)が使用されます。
スマートメーターの場合、電気使用量と、売電量(太陽光パネル等再生可能エネルギーを所有し、売電をしている場合)が交互に表示されるようになっています。
その表示が10秒ごとに切り替わる仕組みとなっており、矢印マークがついているのが売電量、矢印マークがついていないのが電力使用量です。
※スマートメーターの場合、矢印無しと矢印付きに表示が切り替わります。
さらにスマートメーターが従来型の電力メーターと違う点は、小数点も読み取るという点です。
例えば、今月、5108.1(kWh)と表示されており、先月が4788.8(kWh)だった場合は、5108.1-4788.8=319.3(kWh)となります。そして小数点も計算した上で、実際の電気料金の請求には四捨五入された数字が使用されます。
ただし、スマートメーターも画面に表示される数字は、今まで使用した電力量(kWh)の積算量です。そのため今月の電力消費量を把握したい場合は、先月のトータルの電力消費量をマイナスする必要があります。
HEMS(ヘムス)のような家電や電気設備とつないで電気やガスなどの使用量をモニター画面などでみれるようなシステムを導入すれば、家庭内でより簡単に電気の使用量を把握することができます。
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故障かな?と思ったら
- 電力メーターは個人でさわらない
- 異常があったら契約先の電力会社へ連絡
- 電力消費の上昇は季節やライフスタイルの変化の可能性も
電力メーターの調子がおかしい、壊れているのではないかと思っても、電力メーターをいじったり、取り外そうとしてはいけません。疑わしい場合はまずは各電力会社に連絡しましょう。
電力メーターは電力会社の所有物ですので、電力メーターの故障のチェックのつもりでも、触ったりしたことでメーターに破損が生じてしまった場合は、賠償の必要が生じるかもしれません。電力メーターは決していじらないようにしましょう。
電力消費量は季節やライフスタイルの変化によっても大きく変わる場合があります。まずは新しく使い始めた電化製品が無いかなどをもう一度確認してみましょう。
従来型の機械式電力メーターの場合には電気を使用しているはずなのに円盤が回転していなかったり、逆にブレーカーを落としても勢いよくグルグル回転している場合には電気メーターに異常があるかもしれません。契約先の電力会社へ連絡してみましょう。
スマートメーターの場合には故障は外観からは分かりにくいですが、通信機能があるため電力会社がすぐに以上を検知してくれます。