引っ越し先でウォーターサーバーを使いたい?【選び方ガイド】
引っ越しにあたり、引っ越し先の新居でウォーターサーバーの契約を検討されている方のために、ウォーターサーバーの種類や、それぞれの種類ごとのメリット&デメリットをご紹介。ウォーターサーバーを初めて利用する方でも後悔しないウォーターサーバーの選び方を解説します。
ウォーターサーバーとは?
飲みたい時にレバーやボタンを押すだけで、美味しい冷水が飲める「ウォーターサーバー」。
「ウォーターサーバー」は、交換式のタンクから冷水や温水を自由に供給することができる専用機器のことです。好きな時に、いつでも手軽に冷水や温水をサーブすることができます。
役所やクリニックの他、最近ではスーパーなどにも設置されていますので、実際にご利用になったことがある方も多いでしょう。
ウォーターサーバーは、もともとアメリカが発祥で、本国では会社などのオフィスはもちろん家庭にも広く普及しています。
日本では一般家庭での普及率はまだ低いものの、ウォーターサーバー本体を購入するシステムのアメリカと異なり、気軽に試すことができる廉価なレンタル式が主流で、しかも本体のレンタル料金を徴収しないメーカーも増えていることから、自宅でウォーターサーバーを利用する家庭は年々増えています。
特に、ウォーターサーバーを設置するきっかけとして、引っ越しに伴うライフラインやライフスタイルの見直しで、新居でウォーターサーバーの導入を検討される方も多いでしょう。
そこで、このページでは、引っ越し先の新居でウォーターサーバーの契約を検討されている方のために、ウォーターサーバーを使ったことがない方でも後悔しないための選び方を詳しく解説します。
ウォーターサーバーの種類
まず、ウォーターサーバーにはどのようなものがあるか、種類ごとにおおまかな特徴をご紹介します。
一般的なウォーターサーバーには、大きく分けて以下の2種類があります。
- ボトルタイプ
- 水道水ろ過タイプ
※画像出典:ミズラボ
【ボトルタイプ】
【ボトルタイプ】のウォーターサーバーは、「ガロンボトル」と呼ばれる約6〜25Lの水の専用容器をセットするタイプのウォーターサーバーです。ボトルを設置すれば、レバーやボタン一つでいつでも冷水や温水が出てくるので非常に便利です。
【ボトルタイプ】は、メーカーによってご自身の好みでボトルの水を以下のような種類から選択できるのが最大の特長です。
- 「天然水」・・・自然の水をろ過・加熱殺菌処理などをした水
- 「RO水」・・・「ROフィルター」や「RO膜」と呼ばれる高性能な逆浸透膜で水道水などをろ過した純水
- 「水素水」・・・水素分子や水素イオンを高濃度に含んだ水
- 「炭酸水」・・・天然水などに炭酸ガスを添加した水
水の成分や味、水質など、好みに合わせて選べるのがよいですね。
ボトルは、リユース?使い捨て? 【ボトルタイプ】のウォーターサーバーでは、一般に「天然水」「水素水」「炭酸水」などを選択した場合は、ボトルが「ワンウェイボトル方式」(使い捨てタイプ)のメーカーが多いです。
一方、「RO水」を選択した場合は、ボトルが「リターナブルボトル方式」(回収・リユースタイプ)の場合が多いので、ウォーターサーバーを選ぶ際はその点も考慮に入れるとよいでしょう。
【水道水ろ過タイプ】
【水道水ろ過タイプ】のウォーターサーバーには、以下の「水道直結型」と「水道水補充型(浄水型)」と大きく2つのタイプがあります。
- 「水道直結型」・・・水道管から水道水を引き、ウォーターサーバー内で浄水するタイプ
- 「水道水補充型(浄水型)」・・・ご自身でサーバー内に水を補充するタイプ
いずれも 自宅の水道水を原水として使うため、ボトルタイプのように定期的にボトルを注文・補充する必要がなく、ボトルタイプよりも低コストであるのが特長です。
ウォーターサーバーのメリット・デメリット
ウォーターサーバーの種類と大まかな特徴を確認したところで、まずはウォーターサーバー共通のメリット・デメリットを見てみましょう。
ウォーターサーバーのメリット |
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ウォーターサーバーのデメリット |
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【ボトルタイプ】と【水道水ろ過タイプ】のウォーターサーバー共通のメリット・デメリットとしては、上記のような特徴が挙げられます。
ウォーターサーバーに共通して、契約前に特に留意すべき点は、ほとんどのメーカーで最低契約期間(約1~2年が多い)を設けており、この契約期間中に解約すると、解約違約金がかかってしまうということです。それゆえ、ウォーターサーバーを選ぶ際には、メリット・デメリットをよく確かめて検討することが重要になります。
なお、上記以外にも【ボトルタイプ】と【水道水ろ過タイプ】では、タイプ別に異なる知っておくべきメリット・デメリットが存在します。
次の項目で、それぞれのタイプのメリット・デメリットをサーバーの種類ごとに更に詳しく見ていきましょう。
【ボトルタイプ】のメリット・デメリット
【ボトルタイプ】のウォーターサーバー:メリット・デメリット
【ボトルタイプ】のメリット
- 工事不要で、好きな場所に設置可能
- 水の種類(天然水・RO水・水素水・炭酸水)が選択できる
- 災害時の備えにもなる
- 定期的に水(ボトル)を配送・補充してもらえる
- 定期メンテナンス・内部クリーン機能がある
【ボトルタイプ】のデメリット
- 設置するスペースが必要
- 最低注文本数がある場合が多い
- 天然水・水素水・炭酸水などはコストが高い
【ボトルタイプ】のメリット
上記から、【ボトルタイプ】の大きなメリットとしては、工事等が一切不要で、ウォーターサーバーを好きな場所に簡単に設置することができる点が挙げられます。また、水の種類(天然水・RO水・水素水・炭酸水)が選べ、気軽に美味しくて安全な水(冷水・温水)を楽しめる点も大きなメリットです。
また、「リターナブルボトル方式」(回収・リユースタイプ)ではない「ワンウェイボトル方式」(使い捨てタイプ)のボトルの場合は、空になったらすぐに捨てればよいので、使用済みボトルの処理も簡単ですね。
【ボトルタイプ】のデメリット
次に、【ボトルタイプ】のデメリットとしては、設置場所の確保が必要なためスペースがある程度必要なことが挙げられます。また、【水道水ろ過タイプ】に比べると高額になりがちです。
【ボトルタイプ】は、水の種類に選択肢があるというメリットがある反面、天然水・水素水・炭酸水などを選んだ場合は特にコストがかかります。このため、ウォーターサーバーをできるだけ安く利用したいという方には、【ボトルタイプ】はあまりおすすめできません。
また、【ボトルタイプ】の契約に際して、メーカーによってはノルマとして「最低注文本数」が決められている場合があります。世帯人数や水の使用量によっては、注文したボトルに対し、最後まで使いきれないケースも出てくる可能性もあるため注意が必要です。
ウォーターサーバーのほとんどのメーカーのボトル内の水の賞味期限は約半年(6ヵ月)となっています。この点を踏まえ、ボトルの注文本数とご家庭の水の消費量のバランスにも気を付ける必要があるでしょう。
【水道水ろ過タイプ】のメリット・デメリット
【水道水ろ過タイプ】のウォーターサーバー:メリット・デメリット
【水道水ろ過タイプ】のメリット
- 【ボトルタイプ】より安価
- ボトル交換・定期配送が不要
- 使用量を気にすることなく、水を使いたいだけ使える
【水道水ろ過タイプ】のデメリット
- 「水道直結型」は設置工事・初期費用が必要
- 「水道直結型」は利用開始まで約1ヵ月を要す
- 「水道直結型」は設置場所を選べない
- 「水道水補充型」は数日おきに要洗浄
【水道水ろ過タイプ】のメリット
上記から、【水道水ろ過タイプ】は「水道直結型」「水道水補充型」ともに水道水を使用することから、大きなメリットとして【ボトルタイプ】よりも圧倒的に安価で済む点が挙げられます。
メーカーによって月額のランニングコスト(サーバー+水+電気+メンテナンス代等)は異なりますが、【水道水ろ過タイプ】の場合は3,000円前半の価格帯が多く、【ボトルタイプ】の場合は4,000円以上のものが大半です。これはもちろん、メーカーだけでなく、水の種類やメンテナンスの有無によっても異なってきます。
しかし、仮にひと月に1,000円の差額でも、年で計算すると10,000円以上の大きな差が出るため、コスト重視の方は【水道水ろ過タイプ】のウォーターサーバーを選ぶとよいでしょう。
なお、【水道水ろ過タイプ】の原水は、文字通り、ろ過した「水道水」であるため、【ボトルタイプ】の天然水などに比べると水の味が落ちることは否めません。しかし、フィルターなどで残留塩素やウイルス、沈殿物が除去された安全な水(冷水・温水)を気軽に楽しめるという点では、【ボトルタイプ】と同様、ウォーターサーバーならではのメリットがあります。
また、ペットボトルの運搬や、ボトルの交換・配送が一切不要なので、蛇口をひねるだけで安全な水を使いたいだけ存分に使うことができるのも【水道水ろ過タイプ】の大きなメリットです。
【水道水ろ過タイプ】のデメリット
【水道水ろ過タイプ】のデメリットとしてまず挙げられるのは、「水道直結型」を選んだ場合には簡単な設置工事が必要である点、そのため申し込みから利用開始まで約1ヵ月かかってしまうことです。また、その工事費用として、メーカーによって約5,000円~10,000円の「設置費用」が別途必要となることも考慮しなければなりません。
なお、一度設置工事を施した場所からウォーターサーバーを移設する場合にも、移設費用がかかることもあります。これは引っ越しの際も同様のため、「水道直結型」のウォーターサーバーは、同じ場所で長期的にウォーターサーバーを使用したい方向けだと言えます。
一方、「水道水補充型」は「水道直結型」と異なり、工事も初期費用も不要で、サーバーが到着したら自宅の好きな場所に設置してすぐに利用することが可能です。しかし、利用にあたっては、ご自身でタンクの水をその都度補充する必要があること、また、定期的なメンテナンスに加えて空のタンクを数日おきに洗浄する必要があります。
数日おきとはいえ時間と手間がかかるため、掃除が苦手な方や、多忙であまり時間がないという方には「水道水補充型」は不向きかもしれません。
目的別:後悔しないウォーターサーバーの選び方
これまで確認してきたウォーターサーバーのそれぞれの特徴を踏まえ、ここでは、初心者でも後悔しないためのウォーターサーバーの選び方のポイントについて解説します。
ウォーターサーバーの選び方のポイントとして、以下の3点に着目しましょう。
これらのポイントの中で、どの項目をどのくらい重要視するかによって、一人ひとり、ベストなウォーターサーバーの選び方は異なってきます。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。
価格(コスト)
ウォーターサーバーのメリット・デメリットでも確認したとおり、ウォーターサーバーはサーバー代・水代・電気代・メンテナンス代などのランニングコストが毎月かかります。
「とにかくコスト重視!」または「できるだけお金をかけずに利用したい」という方は、特に水代が割高になりがちな【ボトルタイプ】よりも、【水道水ろ過タイプ】のウォーターサーバーを選ぶとよいでしょう。
また、【水道水ろ過タイプ】の中でも、賃貸住宅にお住まいの方で、今後も転居予定がある・ありそうという方は、サーバーの設置工事や移設工事が必要な「水道直結型」は避け、「水道水補充型」のウォーターサーバーが向いています。
目的
「ウォーターサーバーを何に利用したいか」「どんな目的で水を使いたいか」でも、ウォーターサーバーの選び方は異なります。
- ウォーターサーバー:何のために使う?
- 健康・美容のため、安全で品質のよい水を飲みたい
- 水を飲む習慣をつけ、水分補給に役立てたい
- 安全な水を好きなだけ気軽に使いたい
- お湯を沸かさずに、温水・熱湯を使いたい
- 安全で美味しい水を料理にも使いたい
- 赤ちゃんのミルク作りの手間を省きたい
- 災害時に備蓄用の水としても使いたい
コストよりも健康・美容面での向上を重視している方や、水のクオリティや味などにこだわりのある方は、ご自分の好みやライフスタイルに合わせて水の成分・味・水質などを選択できる【ボトルタイプ】がおすすめです。
【水道水ろ過タイプ】の水は水道水をろ過した「浄化水」になるため、ミネラルなどは含まれていません。そのため、水質にこだわりのある方や天然のミネラルウォーターなどを好む方には向いていないでしょう。しかし、一方で、ミネラル分がないことから味にクセがなく、赤ちゃんや幼児の胃腸に負担がかからないというメリットもあります。
そのため、赤ちゃんのミルク用のお水・お湯として使用する機会が多い方、赤ちゃんや小さなお子さんがいるご家庭であれば【水道水ろ過タイプ】がおすすめです。また、使用量を気にせずに、飲料用としてだけでなく料理用にも幅広く水を使いたい方にも【水道水ろ過タイプ】が向いています。
なお、【ボトルタイプ】であってもRO膜(逆浸透膜)でろ過した「RO水」は、ミネラルだけでなくヨウ素や放射線物質などの不純物も除去しているため、「浄化水」よりも更に安全な純水をという方は、【ボトルタイプ】の「RO水」もおすすめです。
その他、ウォーターサーバーの利用を災害時の備えの一つとしても考えている方は、ボトルを備蓄に回せる【ボトルタイプ】が最適です。
赤ちゃんがいる家庭への注意点赤ちゃんのミルク用にとウォーターサーバーを導入した家庭で、赤ちゃんが誤ってレバーやボタンを触り、熱湯でやけどを負ってしまう事故などが報告されています。
ウォーターサーバーの種類に限らず、サーバーの設置場所や管理には十分に気を付ける必要があります。
利便性
ウォーターサーバーを契約後、事故や問題が起こったり、実際に使ってみたら利用しにくかった、という事態を避けるためにも、利便性の面からサーバーの機能性・デザイン性についてもよくチェックしておきましょう。
例えば、上記で赤ちゃんのやけど事故について触れましたが、現在のほとんどのウォーターサーバーの温水部分には「チャイルドロック」機能が付いています。ただし、子どもの手の届く場所にロックやレバーがあれば「チャイルドロック」もあまり意味がありません。
赤ちゃんや小さなお子さんのいる家庭では、いたずら防止のためにも、できれば温水だけでなく冷水の部分にも「チャイルドロック」が装備されているものがよいでしょう。また、操作レバーやボタンなどが子どもの背丈よりも高い部分にあるウォーターサーバーを探すなど、使用する状況を想定しながら選ぶことも大切です。
その他、キッチンの水道付近以外にウォーターサーバーを設置したい、リビングのインテリア家電として使用したいなど、設置場所を自由に決めたい場合は【ボトルタイプ】がおすすめですが、【ボトルタイプ】は空ボトルがリユースか使い捨てかによって使用済みボトルのスペース確保問題が出てきます。
回収日までに空ボトルを貯めて置く場所がない場合は、「ワンウェイボトル方式」(使い捨てタイプ)を選んだり、住居自体があまり大きくないという方はスリムタイプや卓上タイプのウォーターサーバーを選ぶなど、お住まいの居住環境も考慮に入れましょう。
また、【ボトルタイプ】を契約したい方は、サーバー内のボトルの設置場所にも注意が必要です。ボトルが上部設置タイプのウォーターサーバーの場合、持ち上げるのに力が必要です。体力や腕力に自信がない方は、下置きタイプのデザインを選ぶなど、実際に使用した時のことを想定しながら、利便性を追及するとよいでしょう。
ウォーターサーバーの選び方:まとめ
以上を基に、引っ越し先でウォーターサーバーを契約する際に役立つウォーターサーバーの選び方を一覧表にまとめました。
サーバー | ボトルタイプ | 水道水ろ過タイプ |
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種類 | 「ワンウェイボトル方式」 (使い捨てタイプ) 「リターナブルボトル方式」 (回収・リユースタイプ) |
「水道直結型」 「水道水補充型」 |
水の種類 |
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こんな人におすすめ |
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上記の表を参考に、ウォーターサーバーを選ぶ際のポイントである価格(コスト)、目的、利便性の3点を吟味し、ご自身の好みやライフスタイルに合ったベストなウォーターサーバーを見つけましょう。
どのようなタイプのウォーターサーバーが自分に最適かを把握したら、実際に製品の検討に入ります。しかし、現在は様々なメーカーが豊富な種類のウォーターサーバーを提供しているため、同じタイプ・同じ価格帯のウォーターサーバーでも、どの製品を選んでよいかわからない、と迷われる方も多いかもしれません。
もし、似たような特徴をもつウォーターサーバーの製品選びに迷ったら、実際に多数の製品の比較を行っているウォーターサーバーの比較サイトを参考にするのもよいでしょう。
製品のサービス比較も参考にしながら、ご自分で納得のいくまで検討し、引っ越し先の新居でウォーターサーバーのある新生活を楽しんでみませんか。