リフォームのメリット・デメリットは?建て替えとどっちがいい?
快適な家に住み続けるためには、定期的なメンテナンスが必要です。リフォームと建て替えでは、費用や工事期間にどのような違いがあるのでしょうか?リフォームと建て替えの特徴をリスト形式で分かりやすく解説します。
リフォームと建て替え、どっちがいい?
国土交通省住宅局の調査によると、日本の住宅の利用期間は平均して30年と言われ、それ以上になると大規模なメンテナンスが必要となる場合がほとんどです。
マイホームの大規模な改修を考えるとき、「リフォーム」と「建て替え」の2つの選択肢で迷う方も多いでしょう。
リフォームと建て替えで迷ったら、両者の違いと特徴を知って、自分にどちらが合うか検討することが大切です。
リフォームと建て替えの違い
まずは、「リフォーム」と「建て替え」の違いを明確に把握しておきましょう。違いは建物の基礎部分の扱い方にあります。
「リフォーム」は、基礎部分は残して建物の修繕・改修を行うことを指し、老朽化したものを新築同様に戻すことを意味します。
リフォームの規模はさまざまで、お風呂やキッチンなどの水周りだけの部分的なリフォームから内装全てを新しくするフルリフォームなどがあります。リフォームの定義には「リノベーション」も含まれます。
「リノベーション」は、間取りの変更やキッチン・お風呂などの位置を変えるなどの大規模改修のことを指します。
リフォームは老朽化した設備を新築同様に戻し、リノベーションは元々あった設備を改善してより住みやすくするという違いがあります。
しかし、建物の基礎部分は残して、そのまま活用する点で同じカテゴリに含まれる改修方法です。
一方、「建て直し」は、基礎部分も一度取り壊して新たに住宅を建て直すことを意味します。
既存の建物は取り壊して建て直すため、基本的には費用や時間はリフォームするよりも多くかかります。
リフォームと建て替えの特徴を比較
リフォームと建て替えをすることで、どちらも新しく整えられた住宅に住むことができますが、それぞれに異なる特徴があります。
両者の違いを比較するために、特徴を以下のリストにまとめました。
項目 | リフォーム | 建て替え |
---|---|---|
工期 | ・約1~3か月(工事内容によって異なる) | ・約4~8か月(工事内容によって異なる) |
改修工事費用 | ・約100~300万円(部分リフォームの場合) ・約1,000~2,000万円(フルリフォームの場合) |
・約2,000~4,000万円(工事内容によって異なる) |
改修工事以外の費用 | ・増築や減築する場合には登記申請費用がかかる ・工事の規模によっては仮住まいや引っ越し費用がかかる |
・仮住まいや引っ越しの費用が必須 ・既存の建物の解体費用がかかる ・登記申請費用がかかる |
間取り | ・建物の基礎はそのまま利用するため、すべての希望通りに変更できるわけではない | ・柱や水回りの位置なども自由に設計し直すことができる |
リフォームでも建て替えでも、工事の規模や建物の面積によって費用や工期が大きく異なります。リストの情報はあくまでも目安です。実際の費用や工期は、必ず業者に見積もりを依頼しましょう。
では次に、リフォームと建て替えのそれぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
リフォームのメリット・デメリット
まず、リフォームのメリット・デメリットについて確認します。以下に、建物の基礎部分を活かすリフォーム工事のメリットとデメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
①必要な部分だけ改修できる ②コストを抑えて新築同様にできる ③工期が短くできる ④住宅に居住しながら工事できる |
①間取り変更などの自由度は低い ②劣化が激しい場合は費用がかさむ |
リフォームのメリット
最初に、家をリフォームするメリットについて考えてみましょう。
リフォームの大きなメリットは、コストを抑えて必要な部分だけ改修できる点です。
特に、キッチンやお風呂などの水回りは経年劣化を感じやすい部分です。また、外壁や屋根などは定期的にメンテナンスをしないと雨漏りなどの原因になります。
大きな間取りの変更などは必要ないものの、より快適に生活するために部分的に改修したいという方にはメリットが大きいでしょう。
また、リフォームは改修部分を絞って行うため工期が短くできます。工事部分も限定されるため、多くの場合は居住したまま工事を進めることができます。
マイホームに住みながら改修工事ができれば、引っ越し費用や仮住まいも必要なく費用をさらに抑えられるのもメリットです。
リフォームのデメリット
メリットが多いように感じるリフォームですが、やはりデメリットもあります。
リフォームのデメリットは、間取り変更を希望通りにできない場合があることです。
リフォームでは、住宅の基礎部分はそのまま利用するため、構造によってどうしても取り除けない柱や壁が出てきます。
特に2X4工法(ツーバイフォー工法)に代表される「木造枠組壁工法」やコンクリート構造住宅などでは、間取り変更の自由度が低くなります。
一般的にコストパフォーマンスの高いリフォームですが、地盤や土台、柱などの劣化が激しい場合には多額の費用が掛かることもあります。
地盤沈下や多湿、シロアリなどの被害を受けていると大規模リフォームが必要となり、建て替えとほとんど変わらない金額になってしまう場合もあります。
建て替えのメリット・デメリット
次に、建て替えについてもメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
①自由に設計できる ②住宅性能を高めることができる ③ライフプランに合わせて変更しやすい |
①リフォームに比べてコストが高い ②時間や手間が新築同様にかかる ③引っ越しや仮住まいが必須 ④各種税金がかかる |
建て替えのメリット
リフォームと比較してコストがかかるとされる建て替えですが、その一方でリフォームより優れている点もあります。
何と言っても、建て替え最大のメリットは自由に設計できることです。
建て替えの場合は、間取り変更はもちろん、二階建てを平屋にしたり、二世帯住宅にアップグレードしたりとライフプランに合わせた変更も可能です。
また、基礎部分から取り壊して建て直すため、住宅性能を向上させる工事が施工しやすいのも特徴と言えるでしょう。
例えば、地震に強い基礎や壁に変えたり、断熱性の高い建材に変更することができます。
建て替えによって住宅性能を高めることで、毎月の光熱費を抑えることも可能になります。
建て替えのデメリット
建て替えのデメリットについても確認しましょう。
まず、デメリットとして挙げられるのは、リフォームよりも費用がかかる点です。
建て替えにかかる費用のイメージとしては、新築と同程度かそれ以上と考えておくとよいでしょう。
建て替えでは、引っ越しや仮住まいが必須となるためです。その分、新築の家を建てる時よりも費用がかかる可能性が高くなります。
また、費用以外にも、建て替え時には建築会社選び、設計などの打ち合わせ、各種申請手続きなど、時間も手間もかかります。
税金についても、新築の場合と同様に「登記免許税」や「不動産取得税」などの支払いが必要です。
建て替えを検討する場合は、新築と同程度かそれ以上の費用・時間・手間がかかる、という点を念頭に置いておきましょう。
リフォームの実例紹介
家の建て替えは、基礎部分から取り壊して新しい家を建てるため、新築の場合と同様に無数のバリエーションがあります。
ここでは、費用を抑えつつ、新築同様に生まれ変わったリフォームの実例を3つご紹介します。
- フルリフォームで開放感を実現した家
- 施工会社:株式会社東急Re・デザイン(旧 東急ホームズ)
- 築年数:30年
- リフォーム内容:以前の家の居室3つをつなげて、開放感のあるLDKに間取り変更。その他お風呂や玄関なども含めて、フルリフォーム。
- リフォーム予算:1,000万円以上
このお宅では、小さな3部屋を壊して1つの大きなLDKへと大幅なリフォームを行いました。
建て替えをしなくともリフォームだけで大規模に間取り変更を成功させた例といえるでしょう。
施工した株式会社東急Re・デザインでは、新築の半分程度でのフルリフォームを得意としており、建て替え同様の自由設計を実現しています。
- 壁付けキッチンを対面式へ変更
- 施工会社:株式会社creahome
- リフォーム内容:壁側に向いていたキッチンを対面式キッチンにリフォーム。家族の様子も見ながら料理ができる明るいキッチンが誕生。
- リフォーム予算:100万円以上
この住宅では、ご家庭に幼いお子さんがいることから、炊事をしながらでも家族とコンタクトがとれる対面式キッチンへとリフォームを行いました。
キッチンだけでなく壁紙の色も変えることで、お部屋全体がぐっと明るくなっています。
- 見た目もスッキリな最新トイレに
- 施工会社:株式会社いーねホーム
- リフォーム内容:古いウォシュレットトイレを最新のTOTO製トイレにリフォーム。見た目もスッキリとしてスタイリッシュに。
- リフォーム予算:100万円以内
このお宅では、古いタイプの便器を自動開閉機能付きの最新トイレに交換。その結果、清潔感も増し、全体にスタイリッシュな印象になりました。
施工依頼の多いトイレは、リフォームの中でも低予算で行えるものの1つです。工期も短期間で終えることができ、水回りの見た目も生まれ変わります。
トイレのリフォームでは、ほとんどの場合に壁紙や床の張り替えも含まれ、トイレ全体の印象に変化を与えることが可能です。
リフォームと建て替えの判断基準のポイントは?
リフォームと建て替えの判断基準には、どのようなものがあるのでしょうか?
もし、リフォームと建て替えのどちらが良いかで迷ったら、以下のポイントに沿って考えてみましょう。
- リフォームと建て替えのポイント
- リフォーム・建て替えを考えている家の状態
- 今後のライフプラン
- 予算
- 工事期間とその間の仮住まい
判断基準のポイントを押さえつつ、現在のご自宅がリフォームと建て替えのどちらが向いているのかを具体的に検討することができます。
ポイント | リフォームが向いている人 | 建て替えが向いている人 |
---|---|---|
家の状態 | ・部分的に古くなっている ・シロアリや多湿の被害は出ていない ・家のインテリアやイメージを変えたい |
・耐震性や断熱性に問題がある ・シロアリや多湿により基礎部分が被害を受けている |
今後のライフプラン | ・ずっと同じ間取りで住み続けたい ・将来大きな間取り変更をしたいと思っている ・将来二世帯で住む可能性がある |
・家を引き継いで住み続ける人がいる ・将来大きな間取り変更は予定していない ・二世帯で住むタイミングである |
予算 | ・できるだけ安く抑えたい | ・リフォームするのとあまり費用が変わらない |
工事期間と仮住まい | ・工事期間は短い方が良い ・仮住まいの場合、家族や親戚の家を借りることは難しい |
・工事期間が長くても問題ない ・仮住まいとして他の家や家族のところに住む場所がある |
リフォームと建て替えのどちらを選ぶにしても、工事には大きな出費が伴います。判断基準のポイントを押さえて、長期的な視点で判断することが大切です。
リフォームと建て替えで迷ったら?
「リフォーム」と「建て替え」それぞれのメリット・デメリットをよく比較し、双方の判断基準のポイントを考慮しても、「やはりどちらがいいか分からない」と迷われる方もいらっしゃるでしょう。
もし、リフォームと建て替えのどちらが向いているのか、ご自分で判断できない場合は、プロに見積もりをしてもらうのがおすすめです。
例えば、リフォーム会社一括見積もりサイト「タウンライフリフォーム」では、リフォーム費用や見積もりだけでなく、リフォームに役立つアイデアやアドバイスもオンラインで受けられます。
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【まとめ】リフォームと建て替えはどっちがお得?
リフォームと建て替えのどちらがお得になるかは、それぞれのご自宅の状況によって異なります。まずは、リフォームと建て替えの違いを理解し、メリットとデメリットを把握することが大切です。
また、リフォームと建て替えの判断基準のポイントを知っておくことも重要です。長期的な視点に立って、どちらがコストパフォーマンスが高いのか判断するようにしましょう。
さらに、実際にどれくらいの予算になるのか、プロ目線での見積もりも必須です。見積もりを依頼する際には、必ず複数の業者の見積もりを依頼し、その結果を比較・検討するとよいでしょう。
なお、【タウンライフリフォーム】では、無料のオンライン一括見積もりサービスを提供しています。時間をできるだけかけることなく、ご自分の条件に合ったよりお得な業者を見つけるためにも、このようなプロによる見積もりサービスを上手に利用するとよいでしょう。