引っ越したのに電気代が請求され続けた話 | “自動解約”の思い込みは危険
引っ越しシーズンが近づくと、新居の準備や手続きで頭がいっぱいになります。 ついつい、新生活へに意識が集中して、今住んでいる家の”ライフラインの後片付け”がおろそかになりがちですが、要注意。
実は、引っ越したあとも電気代が請求され続けてしまうケースが、毎年引っ越し後によく起こります。原因は多くの場合、「電気は自動で解約されるはず」という思い込みです。
今回は、実際にあった体験談をもとに、引っ越し時の電気解約で気をつけたい落とし穴を解説します。
![]() | この記事の執筆者:エネルギー・家計ジャーナリスト Rei N. |
まさか自分が…他人の電気代を払っていた話
知人から聞いた話です。 無事に引っ越しを終え、新居での生活が始まって数カ月。ある日、クレジットカードの明細を見て違和感を覚えました。
「引っ越したはずの家の電気代が、まだ引き落とされている」 確認してみると、旧居の電気契約を解約し忘れていたことが判明しました。
しかも、次の入居者が電気の申し込みをしていなかったため、電気は普通に使える状態のまま。 結果として、知らない誰かの電気代を数カ月分支払っていたのです。
クレジットカード払いや口座引き落としにしていると、毎月の請求を細かく見ない人も多く、 気づくまでに時間がかかりやすいのがこのトラブルの怖いところです。
なぜこんなことが起きる?電気は自動で解約されない
多くの人が勘違いしがちですが、電気の契約は「新居で電気を申し込んだ」=「旧居の電気は自動解約」にはなりません。
電気の契約は、 「住所(供給地点)」と「契約者」ごとに管理されています。
そのため、引っ越して誰も住んでいなくても、 または次の入居者がまだ申し込みをしていなくても、契約を解約しない限り請求は続きます。
「新居で電気が使える=とりあえずラッキー」などと思いがちですが、 実際には前の住人の契約が残ったままというケースは珍しくありません。
あとから返してもらえないの?
残念ながら、後から気づいても返金されることはほとんどありません。
電力会社は、 「契約期間中に使用された電気は、契約者の負担」 という考え方を取っています。
実際に使ったのが誰か、という点は考慮されず、 契約が残っていた事実が重視されるためです。
「気づかなかった」「自分は使っていない」という理由でも、 請求が取り消されるケースはほぼないと考えておいたほうがよいでしょう。
新居で申し込んだから安心…ではなかった
もうひとつ多い勘違いが、 「新居で電気を申し込んだから、旧居は自動的に解約されているはず」というものです。
しかし、新居の電気契約と旧居の電気解約は完全に別の手続きです。
たとえ同じ電力会社を使い続けていても、 住所が違えば契約は紐づいていません。
引っ越し時には、 「新居の開始手続き」と「旧居の解約手続き」 この2つを必ずセットで行う必要があります。
例外はひとつだけ。同じ家で電力会社を切り替える場合
例外となるのは、引っ越しをせず、同じ住所で電力会社を切り替える場合です。
このケースでは、新しい電力会社が手続きを引き継ぐため、 自分で解約の連絡をする必要はありません。
「引っ越し」と「電力会社の切り替え」は、 似ているようで仕組みがまったく違うため、混同しないよう注意が必要です。
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電気だけじゃない。引っ越し前にまとめて確認したいライフライン
注意が必要なのは、電気だけではありません。 ガスや水道も、基本的には自動で止まりません。
特に水道は、 「使っていないと思っていたら請求が続いていた」 というケースが起きやすいライフラインです。
引っ越し前後には、以下の点をまとめて確認しておきましょう。
- 旧居の電気・ガス・水道の解約日
- 新居の電気・ガスの開始日
- 引っ越し後1〜2カ月分の請求明細を必ず確認
「そのうち確認しよう」と後回しにすると、 気づいたときには数カ月分の料金を払っていた、ということになりかねません。
引っ越しは何かと忙しいですが、 ライフラインの解約・開始だけは最後まできちんと確認することが、 無駄な出費を防ぐ一番の対策です。
