【検証】一般家庭に「タダ電」はムリゲー?0円で完結できる人の“極端な”条件とは
「電気代を0円にする」
その甘い響きに惹かれて「タダ電」を検討しているなら、まずはこの現実を知る必要があります。結論から言いましょう。タダ電で0円生活を完結できるのは、かなりのミニマリストだけです。「日中は家を空け、大型家電を捨て、季節を忍耐で乗り切る」そんな事ができる人にはおすすめです。
もしあなたが、
・毎日テレビやPCを長時間つける
・古い大型冷蔵庫を使っている
・夏も冬もエアコンが欠かせない
……という「ごく普通の暮らし」をしているなら、たとえ一人暮らしであってもタダ電は0円どころか、大手電力会社より高くなるリスクを孕んだ「ムリゲー」へと変貌します。
以下のように、タダ電で電気代を無料にするどころか、高くなってしまい悲鳴を上げている人は少なくありません。
単純に電気料金を安くしたいなら今回契約したタダ電の明細です。
— mamimo3 (@Masa1976ryu17) August 23, 2025
猫達の為にと1週間エアコンつけっぱにしただけでこの金額です😱
残り1週間あります!
8月いくら支払えば良いの😮💨
注意喚起!!
エアコン使う方タダ電は絶対に入らないでください!
こちら間違いなく一人暮らしで30Aの電気料金です。
電力会社は良く選んで下さい! pic.twitter.com/bbjSn6e8ss
専門家から言わせてもらうと、1ヶ月の電気使用量平均が125kWh以上なら、電気料金単価が安いオクトパスエナジーや電気ガスセットがお得なCDエナジーダイレクト(関東のみ)で料金を安くする方が合理的です。
なぜ、夢の無料サービス「タダ電」がこれほどまでにシビアなのか。その境界線と、実際に0円を達成している人の“異常な”生活実態を徹底検証しました。
![]() | この記事の執筆者:エネルギー・家計ジャーナリスト Rei N. |
「無料枠」を超えた瞬間に豹変する、タダ電の正体
タダ電のルールは極めてシンプルです。「毎月5,000円分までは無料。それを超えた分だけ支払う」というもの。
しかし、ここには「成功か、爆死か」の二択を迫るシビアな料金設定が隠されています。
- 基本料金:5,000円相当(71kWh)の無料枠を超えた場合は、「基本料金」280円が発生。
- 豹変する従量単価:無料枠(約100kWh〜相当)を超えた後の料金は、1kWhあたり65円。これは一般的な電力会社の約2倍近い設定です。
- 燃料費調整額:単価が非公開になっているため、無料枠を超えてからどのくらいかかるのか不透明
※これらの試算は、東京電力エリア・30A契約・燃料費調整額を平均値とした場合の目安です。
無料枠を越えてもすぐ損するわけではないただし、71kWhを越えるとすぐに損するわけではありません。タダ電の損益分岐点は、東京電力エリアならば約125kWh/月(▶損益分岐点の計算結果)で、これ以下ならばタダ電の方がお得です。
つまり、タダ電とは単なる節約術ではなく、ある意味「定められた枠内に生活を収めることができるか」というサバイバルゲームなのです。
0円を維持している人の“スゴイ”3つの共通点
調査の結果、実際に「請求書0円」を叩き出しているユーザーには、一般家庭には到底真似できない3つの極端な条件が見えてきました。
普通の一人暮らしの場合でも、ほぼ"ムリゲー"
一人暮らしの人は月平均130kWhの電気を使用しています(セレクトラ編集部調べ)。ですから、一人暮らしであっても、普通に暮らしている場合でも、タダ電で無料は相当な"ムリゲー"です。
「待機電力」すら許さない家電の断捨離
電気を食う「古い冷蔵庫」や、電源を切っても電気を吸う「大型テレビ」はありません。中には「冷蔵庫自体を捨て、その日食べる分だけを買う」「照明はソーラーランタン」という、キャンプのような生活を日常に持ち込んでいる人もいます。
「家の外」を私有地化するアウトソーシング
スマホの充電は会社やカフェで行い、仕事や読書は図書館へ。風呂はジムや銭湯で済ませる。「家は寝る場所」と割り切り、電力消費を外部に逃がすフットワークの軽さが0円の絶対条件です。
「エアコン」という文明を捨てる精神力
タダ電において最大の敵は「エアコン」です。0円達成者の多くは、夏は水風呂や保冷剤、冬は最強の断熱ウェア(着る毛布等)を駆使し、電力会社に1円も払わないための「忍耐」をゲームのように楽しんでいます。
以下のように、一歩踏み込んだ防寒対策をとりエアコンの使用や設定温度を抑える努力が必要です。
夏から電気代はずっと0円(タダ電)。冬も電気代0円でいきたい。暖房をつけるにしても熱効率をよくするために防寒が大事だよ。窓にプラスチックダンボールを貼ったり、アルミサッシに断熱シートを貼る。外からの寒気をカーテンで遮るなど。着込む、防寒(断熱)が冬の節約生活の基本になる。 pic.twitter.com/WPUv6gNXVX
— はるちゃん (@harucafe888) December 4, 2025
【検証】一般家庭は何日で「無料」が終わる?
では、普通の暮らしをしている人がタダ電に切り替えたらどうなるでしょうか。
- ファミリー世帯(350kWh使用):
開始約10日目で無料枠を使い切ります。残りの20日間は「通常の2倍の単価」で電気を買うことになり、最終的な請求額は大手より数千円高くなる可能性が濃厚です。 - 在宅ワークの一人暮らし(150kWh使用):
月の20日目までは0円で耐えられますが、終盤に課金が発生。トータルの支払額は安く抑えられますが、「0円完結」の夢は潰えます。
結論:タダ電は楽しんで「挑戦する気持ち」が勝敗を分ける
タダ電は、万人のための節約術ではありません。
- 向いている人:「月100kWh未満」で暮らせるミニマリスト。あるいは、生活の不便さを「攻略」として楽しめるガチ勢。
- 向いていない人:子供やペットがいる家庭、在宅時間が長い人、生活の質を下げたくない人。
「ムリゲーすぎる」と感じたなら、あなたは今の文明的な暮らしを大切にすべきです。しかし、もし「自分ならクリアできるかも」とワクワクしたなら、あなたはタダ電に選ばれた「節約のトッププレイヤー」かもしれません。
まずはアプリで自分の使用量をチェックし、この「0円ゲーム」にエントリーする資格があるか確認してみてはいかがでしょうか。
「0円」にこだわらず、電気代を確実に下げたい人は、単価の安い新電力への切り替えや、使用量に合った料金プランの見直しだけでも十分な効果があります。
