プロパンガスと都市ガスの料金比較:差はどれくらい?

プロパンガス(LPガス)と都市ガス、料金にはどのくらい差があるのでしょうか?実際に同じ条件で使うと仮定して金額を比べてみましょう。プロパンガス代を下げる方法についても確認します。
プロパンガスと都市ガスの料金比較
「プロパンガス(LPガス)は都市ガスと比べて高い。」というのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。この記事では、本当にプロパンガスの方が高いのか、それぞれの金額にどの程度の差があるのかを実際に比較して検証します。
料金の比較をするにあたり、まずは基準となるそれぞれの金額を確認しましょう。プロパンガスも都市ガスも、地域やガス会社によって料金が異なりますが、なるべく同じような条件のもとで比較できるよう、次の料金設定を適用します。
プロパンガスの料金
プロパンガス(LPガス)料金は、東京都のプロパンガス販売店における小売価格の平均を参考にします。
基本料金 | 5㎥使用時 ガス料金総額 |
10㎥使用時 ガス料金総額 |
20㎥使用時 ガス料金総額 |
|
---|---|---|---|---|
東京都 (伊豆諸島を除く) |
1,731円 | 4,420円 | 7,041円 | 12,236円 |
参考:石油情報センター「LPガス月別・2019年12月」
プロパンガスも都市ガスも、以下のようにひと月あたりのガス料金が計算されます。表のガス料金総額は、この計算の結果導き出された金額の平均です。
ひと月当たりのガス料金 = 基本料金(円/月)+ 従量料金単価(円/㎥)× ガス使用量(㎥)
なお、離島では都市ガスの供給が行われていないため、それと条件を近づけるためにも上記の平均料金には伊豆諸島のプロパンガス料金は含まれていません。
都市ガスの料金
都市ガス料金は、東京都で最も契約件数の多い東京ガスの料金設定を参考にします。
基本料金 | 1㎥あたりの基準単位料金(従量料金単価) | |
---|---|---|
料金表A(1か月のガス使用量が0~20㎥の場合) | 759.0円 | 145.31円 |
料金表B(1か月のガス使用量が20~80㎥の場合) | 1056.0円 | 130.46円 |
参考:東京ガスHP
この表をもとにひと月あたりの都市ガス料金を計算すると、以下のようになります。(小数点以下切捨て)
- 5㎥使用の場合:759 + 145.31×5 = 1,485円
- 10㎥使用の場合:759 + 145.31×10 = 2,212円
- 20㎥使用の場合:759 + 145.31×20 = 3,661円
同じ使用量で比べたのにプロパンガスと都市ガスでかかる料金が何倍も違うため驚いてしまいますね。ただし、プロパンガスと都市ガスでは発熱量に違いがあるため、同じ使用量に対してかかる料金を比べるのは正しくありません。
発熱量の違いに注意
「プロパンガスと都市ガスの発熱量が違う」とはどういうことかというと、同じだけのエネルギーを作るために必要とするガスの量が異なることを示しています。
プロパンガス(LPガス)は都市ガスよりも発熱量が高いガスです。つまり、同じだけのエネルギーを発生させるために必要なガスの量は、都市ガスよりもプロパンガスの方が少なくて済む、ということになります。
具体的に見てみると、1㎥あたりの発熱量はプロパンガスが24,000Kcal(キロカロリー)、都市ガスが11,000Kcalなので、プロパンガスの発熱量は都市ガスよりもおよそ2.18倍高いということがわかります。
例えば、プロパンガスを10㎥使って作れるエネルギーを都市ガスで作るためには、その2.18倍の21.8㎥が必要になるというわけです。
実際に金額を計算:差額はいくら?
それでは、発熱量の違いを考慮したうえでプロパンガスと都市ガスの差額を見てみましょう。
同じだけのエネルギーを使うと仮定する必要があるため、都市ガスはすべてプロパンガス使用量の2.18倍で計算します。(小数点以下切捨て)
プロパンガス5㎥、都市ガス10.9㎥の場合
- プロパンガス料金 = 4,420円
- 都市ガス料金 = 759 + 145.31×10.9 = 2,342円
- 差額 = 2,078円
プロパンガス10㎥、都市ガス21.8㎥の場合
- プロパンガス料金 = 7,041円
- 都市ガス料金 = 759 + 145.31×21.8 = 3,926円
- 差額 = 3,115円
プロパンガス20㎥、都市ガス43.6㎥の場合
- プロパンガス料金 = 12,236円
- 都市ガス料金 = 1,056 + 130.46×43.6 = 6,744円
- 差額 = 5,492円
同じ使用量で考えた時と比べて料金の差は縮まりましたが、それでも東京都の一般的な料金を比べてみると、プロパンガスの方が都市ガスよりも約1.8倍ほど料金が高いという結果になりました。
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なぜプロパンガスの方が高い?
プロパンガス(LPガス)と都市ガスの料金を比べた結果、プロパンガスの方が高いということがわかりました。ここでは、この差が出てしまう理由をご紹介します。
供給コストが高い
理由のひとつに、プロパンガスは都市ガスよりも供給コストが高いことがあげられます。
都市ガスは電気や水道と同じように地下に敷設された導管を通って各契約者の世帯まで供給されます。つまり人手を介さずに供給ができるということです。
一方、プロパンガスは、ガス会社の人員がガスを充てんしたボンベを各契約者の世帯まで搬送することによって供給されています。ここには車の維持管理費や人件費がかかるため、これに比例してガス料金も高くなってしまいます。
なお、この供給方法の違いについて、プロパンガスは供給コストが高いことが確かにデメリットですが、ガス導管がなくてもボンベの配達さえできればどこでも供給が可能、というメリットを持っています。都市ガスのガス導管は人口の密集した都市部にしか敷設されていないため、プロパンガスはそれ以外の地域における安定的なガス供給を担っています。
価格競争が不十分
もうひとつの理由に、プロパンガス(LPガス)の価格競争が十分でないということがあげられます。
プロパンガス料金は法律による規制を受けずに、各ガス会社が好きなように料金を設定することができます。このため、消費者のためになるべく安い価格でガスを提供する良心的なガス会社もあれば、利益を多くするために必要以上に高い価格でガスを販売しているガス会社も存在します。
「値段が高すぎればみんな買わないんじゃない?」というもっともな疑問が浮かぶと思います。しかし、プロパンガスの料金は公開が絶対の義務ではないため、ホームページなどを見ても料金がわからないケースが多くあります。インターネットで料金がかんたんに調べられない状態では、他のガス会社との比較も困難ですから、契約中のガス会社が高いかどうかも明らかにしづらいですよね。高い料金設定をしているガス会社は、このような状況を享受しているというわけです。
それぞれのガス会社の料金がぱっとわかる状態にないため、電気や都市ガスの場合と違って、プロパンガスにおいてはガス会社同士の価格競争が起こりにくく、料金が高止まりするという傾向があります。
プロパンガス代を下げる方法は?
都市ガスの方が安いけど、家はプロパンガスしか選択肢がない、という方もいるでしょう。しかし、プロパンガスでもガス代を下げる方法はあります。
上でも述べたとおり、プロパンガスは規制を受けずに自由に料金を設定できます。そのため、プロパンガスはガス会社ごとの料金の差が大きい傾向があり、同じ地域でもガス会社が違えば2倍近く料金が違う、といのも珍しいことではありません。自由化以前の規制料金の影響が大きく、ガス会社ごとの料金差が小さい都市ガスと比べると、プロパンガスの方が今より安い料金のガス会社を見つけやすいと言えます。つまり、プロパンガスは会社の切り替えで料金をぐっと安くできる可能性があります。
直接の契約者となれる方であれば、プロパンガスは自由に選ぶことができます。安いプロパンガス会社を見つけるためには、複数のガス会社の料金を比較する必要があります。お住まいの地域にあるプロパンガス会社の料金を調べてみましょう。「料金公開が義務ではない」と上でお伝えしましたが、もちろん料金が秘密にされている、というわけではありませんから、ホームページに料金が載っていない場合は、問い合わせて見積もりをもらうことで確認ができます。
料金比較の際は、一括見積りサービスの利用がおすすめです。複数のガス会社から無料で見積もりを集めて提示してくれる便利なサービスです。見積もりをもらったからといって契約する義務は一切ありませんので、お気軽にご利用いただけます。下記のオンラインフォームまたはフリーダイヤルよりご連絡ください。
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集合住宅・賃貸住宅にお住まいの場合アパートやマンションなどの集合住宅・賃貸住宅においては、プロパンガスの直接の契約者となるのは建物のオーナー(大家さんや管理会社など)です。 そのため、ガス料金にお悩みの場合はまず、大家さんや管理会社に相談をする必要があります。なお、一括見積りサービスは集合住宅・賃貸住宅のオーナーもサービス対象となっていますから、オーナーからであれば見積もり依頼を行っていただくことも可能です。