電力会社が自由に選べるようになりましたが、「環境にやさしい電力会社」はどうやって選べばいいのでしょうか?また、環境にやさしい電力会社を選ぶことに本当に意味があるのでしょうか?考えてみました。
- 再エネに積極的な電力会社として、Looopでんき、ソフトバンクでんき、ミツウロコグリーンエネルギー、トドックでんき、などがあげられます。
- 電気料金を通じでも誰でも再エネ賦課金を払っているのをご存知ですか?

なるべく環境にやさしい電力会社を選ぶには?
残念ながら、現状日本では、原発フリーの電力会社(原子力を使っていない電力会社は?)は沖縄電力以外選ぶことはできません。しかしながら、電力自由化で電力会社を自由に選べるようになったわけだし、「せっかくなら、なるべく環境にやさしい電力会社を選びたい。」という人は増えて来ているのは事実です。
本当に環境に優しい電気料金を選ぶことは意味があるのかどうかを考えつつ、電気を切り替えるときに、なるべく環境にやさしい電力会社を選ぶ方法をみていきます。
環境にやさしい電力会社を選ぶのは本当に意味があるのか?
環境にやさしい電力会社の選び方、そもそも、環境にやさしい電力会社を選ぶのは本当に意味があるのでしょうか。
「環境に優しい」を考える場合、何を環境に優しいと考えるかも大切になりますね。原発フリーでも、化石燃料をたくさん燃やして電気を作るのでは、二酸化炭素の排出が増えるので「地球に優しい」とは言えません。
環境に優しい電気を探している方はどのように”やさしい”電気を選びたいのかをはっきりしておくとクリアになり、意味ある選択をしたかどうか判断しやすいのではないでしょうか。
誰でも「再生可能エネルギー発電賦課金」を払っている。
ちなみに、日本で電気を使っている人ならば誰でも、再生可能エネルギーの促進に貢献しています。
私たちが払っている電気代の中に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」というものが含まれているのはご存知ですか?知らなかった、という人はさっそく、電力会社からのの請求書を見てみましょう。必ず記載があります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、税金で、電気を使用するすべての国民が支払っています。この再エネ賦課金は、文字通り、再生可能エネルギーの発電を促進するために使用されています。
2016年5月分からの電気料金に適用されている再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は2.25円/kWhですので、月々の電気使用量が350kWhの場合、毎月787.5円、再生可能エネルギーのために払っている計算になります。(これはどこの電力会社の電気でも一律同じ単価です。)
このため、環境にやさしい電気料金をことさら選ばなかったとしても、皆さんは、再生可能エネルギー発電促進賦課金を通して"義務的に"、日本の再生可能エネルギーを増やし、エネルギー自給率のUPに貢献しているのです。
つまり、仮に安さ重視で電気料金を選んでも、決して罪悪感を感じる必要は全くありません。安い電気料金の中にも再エネ賦課金は含まれています。
電源構成で再生可能エネルギーの発電比率を調べる。
環境にやさしい電力会社かどうかを見分ける、一つの目安としてその電力会社の電源構成に注目する方法もあります。

(出典 ミツウロコグリーンエネルギーのHPより)
それぞれの電力会社は、わたしたち消費者へ安定して電気を供給するために、ひとつのエネルギー源に頼らず火力、水力、原子力、太陽光など、複数の異なる発電方法で得られた電気をバランスよく配分しています。その際、どのエネルギー源からどれだけの発電量を得ているのかという比率を示したものが、電源構成またはエネルギーミックスと呼ばれるものです。
その電力会社の電源構成をチェックして、水力、風力、太陽光、地熱など、自然の力を利用した再生可能エネルギーを利用する比率が高い電力会社を選べば、ある意味「環境に優しい電気料金」を選んだということが言えるでしょう。
しかしながら、日本全体のエネルギーミックスは国が決めていますので、再生可能エネルギーの高い電力会社を選んでも、すぐに日本全体の再生エネルギーの割合を上げることはできません。
でも、このような電気料金プランを選ぶことで、なるべく「再エネ」率の高い電気を使用したいという意思表示ができますね。
再生エネルギーの割合が高い(もしくは目指している)電力会社
- Looop(るーぷ)でんき
- ミツウロコグリーンエネルギー
- ソフトバンク自然でんき
- その他、トドック電力、じぶん電力、みんな電力、みやまでんき など
電気料金の一部を自然環境保護活動へ
電力自由化に伴い新しく電気の小売をはじめた企業の中には、わたしたちが支払う電気料金の一部を地球の自然環境保護活動に充てる約束を掲げた電力会社も登場しています。
そのような電力会社の電気料金プランに切り替えれば、毎月必ずやってくる電気料金の支払いを通して地球にやさしい活動に参加できるというわけです。
以下のようなプランであれば、目的が「自然保護」であることがはっきりしていますので、「地球にやさしい」の意味もクリアです。
例えば、こんな電気料金プランならば、自然環境に間接的に貢献することができます。
ソフトバンク:自然でんき
FIT(フィット)電気の割合50パーセントを目指している電気料金プラン。1契約につき50円、森林支援プロジェクトに募金されるから、エコ重視の方におすすめ。
丸紅新電力:プランG
丸紅新電力はプランSという通常の電気料金に加えて、プランGというプランも提供しています。
このプランの売り上げは、トトロの森ナショナルトラスト(公益財団法人トトロのふるさと基金)の使用に活用されます。
CSRに注目して電力会社を選ぶ
CSRという言葉を聞いたことがありますか?日本語では、「企業の社会的責任」と訳されますが、このようなCSR活動に積極的な会社を選ぶことも1つの方法です。
「企業の社会的責任」として、環境を意識しているところもあるでしょう。料金だけでなく、そのような会社のポリシーを参考にすることもできるのは電力自由化の大きなメリットとも言えます。
ちなみに、消費者に対するイメージ向上を狙い、顧客誘引力を上げようという活動はCSRとは厳密には言えませんので、その点を考えると「募金する」はCSR的には評価できないと考える人もいるでしょう。
環境にやさしい電力会社を選ぶ - まとめ
地球の環境問題が深刻となっている今、電力自由化がスタートしたおかげで、なるべく地球にやさしい電力会社の電気料金プランに切り替える、という意識が高まっているのは素晴らしいことですね。
ただし、「地球に優しい」の意味をよく考えないと、どうやって電気料金を選んでいいか迷ってしまいます。現在の日本の電気は二酸化炭素の発生が多い火力発電が約90%を占めており、地球温暖化の面から考えると環境にやさしいとは言い難い状況です。電源構成についても触れました。やはりどうやって発電しているか、そのバランスも大切なようです。
一方で、私たちは毎月の電気料金の中から、再生可能エネルギー発電促進賦課金を払っていることもご紹介しました。知らなかった人もいたかもしれませんが、日本の再エネ率の向上に電気を使う方はみな貢献しているのです。
もちろん、無駄な電気を使わないということも大切です。例えば、Looopでんきは無料のアプリで電気の使用量(30分毎)の見える化をしてくれます。すぐに節電を効果的に行うにはとっても便利です。