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ガス市場の自由化に伴うメリットとデメリットとは?

ガス市場の自由化に伴うメリットとデメリット
  • ガスの自由化のメリットは料金が安くなる事や選択肢が広がる事で、デメリットは少ないです。
  • ガスの自由化では、課題や改善が必要なポイントがいくつかあります。

ガスの自由化とは?- 分かりやすく解説

ガス自由化のメリットとデメリットを考える前にそもそもガスの自由化が何かを知っている必要があります。このガスの自由化についてまずは詳しく説明します。

電力の全面自由化が行われた2016年の翌年、2017年が都市ガスの小売り自由化元年です。

まず確認したておきたいのが、「ガスの小売り自由化」の話をする時のガスは都市ガスのことを指す点です。2017年のガスの自由化のガスは都市ガスです。ガスには都市ガスとLPガスがありますが、LPガスはだいぶ前にすでに自由化されており、すでにたくさんの業者がLPガスを販売しています。

ガス市場の自由化に伴うメリットとデメリット

2017年のガスの自由化で「小売りの自由化」がされるのは「都市ガス」です。

ちなみに都市ガスとLPガスの違いとしては、都市ガスはガス導管を通って各家庭に届られる一方で、LPガスはガスボンベにガスが充てんされ、そのガスボンベ自体が各家庭に届けられるという点があげられます。

細かくいうと都市ガスとLPガスには他にも異なる点はありますが、上記の点が決定的な違いです。この点を除けば、都市ガスもLPガスもガスはガス、料理や台所の給湯、お風呂で使用するなど用途は全く同じです。

さて、繰り返しになりますが、LPガスは以前から自由化されている一方、都市ガスの2017年4月まで家庭向けの販売は地域独占権をもった地元のガス会社からしか購入ができませんでした。

なお、都市ガスの、大量需要家(工場など)への販売はは1995年から段階的に自由化されていました。まず最初は年間200万m3以上を使用するガスの需要者(工場)の市場から自由化され、続いて100万m3と制限が下げられ、一般家庭まで自由化の範囲が広げられ、2017年4月にガスの完全小売り自由化に至りました。

つまり東京ガスの供給エリアにあった場合は、東京ガスからガスを購入しなければならなかったのが、もっと安くガスを供給してくる会社があるならばそこからガスを購入することもできるようになったわけです。

ガス自由化の範囲
自由化年度 年間契約料 大手ガス会社(10社)の占める販売量の割合 対象となる需要者
平成7年 200万m3 約44%
  1. 大規模工場
平成11年 100万m3 約49%
  1. 大規模工場
  2. 大規模商業施設など
平成16年 50万m3 約52%
  1. 中規模工場など
  2. 大規模病院など
平成16年 100万m3 約59%
  1. 小規模工場
  2. ビジネスなど
平成29年 100万m3以下 データなし
  1. レストラン・飲食店など
  2. 一般家庭など

ガスの小売り自由化までの日本のガス事情

ガス市場の自由化に伴うメリットとデメリット

ガスの自由化にまつわるメリット・デメリットをみていきます。

ガスの原料と言えば、液化天然ガスが現在はメインですが(日本はほとんどを輸入に頼っています。)、昭和40年ごろまでは、主に石炭系ガスや重油・軽油・ナフサを改質してつくられた石油系ガスがメインで使用されていました。

これは日本に限ったことではなく、さらに時代をさかのぼれば、石炭を蒸し焼きにして作ったガスがガスの元祖で、イギリスで初めて使われるようになりました。

しかし、天然ガスの方が石油系ガスに比べて熱量も高く、安全性も高いことから、天然ガスの導入がすすめられ、昭和44年から液化天然ガス(LNG)の輸入が開始されました。

日本でガス事業が始まったばかりの時期は、1つの会社が取り扱うガスの販売量が多ければ多いほどコストが下がるため、より効率的に都市ガスの普及が望めるという理論のもと、限られたガス事業者に地域独占権を与えガス事業をすすめてきました。

ガス会社を規制しておくことの方が、自由競争ではないというデメリットより効率よくガスを整備できるというメリットの方が大きかったわけです。

しかしながら、今日では主なガス導管も日本では整備がすすみ、十分に効率的にガスが供給できるようになりました。

特定のガス会社に限ってガス事業を行うことに以前ほどの利点は認められなくなり、上記で説明したように、大口需要家から徐々にガスが自由化されていきました。

ガス全面自由化のメリットとデメリット

このようにして、ガス小売り全面自由化(2017年4月)は始まります。商店や家庭でも自由にガス会社が選べるようになったわけです。

それではこのガスの自由化によるメリット、デメリットにはどのようなものがあるでしょうか。我々にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

ガス自由化のメリット・デメリットのうち、最初にメリットをみてみましょう。

まず当たり前ですが、このガスの自由化により自由にガス会社が選べるようになります、例えば、電力会社も都市ガスの販売を行う事もできるわけです。

逆を返せば、引っ越しなどで住んでいるエリアが変わっても、ガス会社を変えないでいいという選択肢も増えます。(その場合はそのガス会社が引っ越し先でもガスを販売している必要があります。)

また、一つのエリアに複数のガス会社が存在することになりますので、競争が生まれます。競争が生まれれば、新しい顧客を確保するため、または既存の顧客を他のガス会社にとられないため、料金やサービスを向上する可能性が高く、結果として、ガス料金が安くなったり、サービスもさらによくなる可能性が十分あります。

関連して、ガス会社はニーズにあったサービスを提供するため、お客様である消費者の声によく耳を傾けなくてはいけなくなります。つまり、料金体系が分かりにくいとか、請求書がみにくいなどの苦情・リクエストがあれば、実際に改善される可能性が、ガスの自由化以前よりも高くなったと考えれます。

ガス自由化のデメリットとメリット - メリットは?

  • 好きなガス会社が選べるようになる
  • 競争によりガス料金が安くなる可能性がある
  • 競争により、ガス会社のカスタマーサービスが向上する可能性がある
  • 消費者の意見が届きやすくなり、より消費者目線のガス料金やサービスが提供されるようになる

ガスの自由化のメリットをみてきましたが、デメリットについても考えてみましょう。ガスの自由化によりガス会社が増えたらその分選べるガス料金プランも増えます。そうなると、比較して選ぶのが面倒という問題が考えられます。

加えて、やはりすでにたくさんの顧客をかかえている大手ガス会社が資金力の面では有利ですので、いったんガスの小売りが自由化になっても、大手ガス会社が力を持っているという状況は変わらず、特に変化はすぐに表れないということも想像できます。

また、ガスの自由化に便乗した詐欺が起こる可能性は否定できないでしょう。

ガス自由化のデメリットとメリット - デメリットは?

  • ガス料金選びが面倒になる
  • 特に期待したほどの変化は起きない
  • ガスの自由化に便乗した詐欺が起こる可能性がある

このようにガス自由化のデメリットを挙げてみましたが、デメリットはそれほど大きくない事がわかります。ガス料金の種類が増えたとしても、あえて今まで通り大手ガス会社のガス料金を契約するという自由もあります。

そして、変化が起こらないという点も、具体的なダメージが消費者には特にないことを考えれば、デメリットとも言えないでしょう。

電力自由化の際には、ガスより電力が1年早いというのは不公平であるという議論があり、電力自由化のデメリットの1つとして紹介されるケースもありましたが、いざ蓋をあけてみればそのような懸念はもはや過去のもので話題にもなりませんでした。

ただし、電力自由化の際の電力自由化詐欺で被害にあった方もいるようです。テレビなどのマスコミで自由化は話題にされるのでその大きなトレンドにのって詐欺行為を働くという卑劣な人間が現れるという可能性はあります。詐欺には十分注意が必要です。

このようにガス自由化のメリットとデメリットをみてきましたが、メリットの方が多いです。自由化により、とにもかくにも、消費者がガス会社に影響をあたえることができるようになります。消費者である我々が賢くガス会社をチェックしていくことにより、ガス料金そしてサービスの向上は少しずつ、確実に、今後実現されるでしょう。

ガス会社も電力会社も私たちの生活には欠かせない大切なサービスを提供してくれる会社ですが、それでは会社の数は何社くらいあるのでしょうか?
都市ガス会社:200社以上
LPガス会社:数万社
電力会社(電力自由化以前):10社(北海道電力東北電力東京電力北陸電力中部電力関西電力中国電力四国電力九州電力沖縄電力

ガスの自由化の課題

ガス市場の自由化に伴うメリットとデメリット

ただし、ガスの自由化にもいくつかは課題があります。まず、都市ガス会社は日本に200社近くあり、そのうち赤字の都市ガス会社も50社近くあると言われています。電力会社とも競争していかなくてはいけないことを考えれば、このような小さな都市ガス会社が生き残るのは難しいでしょう。

また、ガス導管はつながっていない箇所も多くあり、隣接ガス会社でもガスのパイプラインが整備されていない箇所もあります。ガス導管の整備拡大と拡充が今後の課題となっています。

電気の小売り自由化、ガスの小売り自由化と続き、エネルギー業界は、メガコンペティション(大競争)期に突入します。少なくとも、今までのガス・電力会社には多くの変化やチャレンジが必要になります。競争が生まれますので、その結果価格が下がるということが市場の原理により予想されます。より消費者の意見や意向が企業に反映されやすくなることも確実です。

セレクトラで、よりあなたにあったガス会社も選んでみてくださいね。