
いまや4世帯に1世帯が持っていると言われる食器洗い機。水道代に電気代が加わりコストがかかりそうという印象が先行する一方で、食器洗い機の方が省エネといった宣伝も良く目にします。実際のところ、食器洗い機はいくらくらいコストがかかるのか、調べてみました。
食器洗い乾燥機の省エネ度
(財)省エネルギーセンターの「家庭の省エネ大辞典」のデータを参照すると、手洗いの場合と食器洗い乾燥機を使った場合の年間コストは以下のようになっています。
種別 | 手洗いの場合 | 食器洗い乾燥機使用の場合 | 差異 |
---|---|---|---|
年間ガス/電気使用量 | 年間でガス81,62㎥ | 年間で電気525,20kWh | 比較保留 |
年間水道使用量 | 年間で水道47,45㎥ | 年間で水道10,80㎥ | 手洗いの方が年間36,65㎥多 |
年間合計費用 | 22080円 | 14020円 | 手洗いの方が年間8060円割高 |
このデータを見る限り、コストが気になっていた食器洗い乾燥機の方が、手洗いよりも省エネ度が高くなっています。その年間差額は8060円。食器洗い乾燥機で節約できる家事の時間なども加味すると、お得感はさらにますでしょう。
もっとも、このデータはある一定の条件で使用した場合を想定して算出されています。すなわち以下のような条件です。
手洗いと食器洗い乾燥機のコスト比較のコスト算出条件 手洗い、食器洗い乾燥機ともに1日2回として推算。 手洗いの場合:給湯器の温度は40度設定、1回当たりの使用水量65リットルとして推算(ただし冷房期間は給湯器は使用しない)。
食器洗い乾燥機の場合:給水接続タイプで標準モードを利用したとして推算。
このように、一定条件の元で比較すると食器洗い乾燥機に軍配が上がります。ただし、一人暮らし世帯や子供が巣立って行ったあとの老夫婦世帯など、洗う食器の量が比較的少ない世帯では、食器洗い乾燥機を使うほど洗う食器はそれほど多くなかったりして食器洗い乾燥機を使うに十分な食器がなかなかたまらない場合もあります。
また、必ずしもお湯で食器を洗わない場合、一般的ガス給湯器よりも省エネ型の給湯器を使用している場合などもあります。
各世帯の事情はそれぞれ異なるので、一概に食器洗い乾燥機が絶対にお得と断言することは難しいと言えます。
各世帯の人数やライフスタイルなどを考慮して購入を考えましょう。
食器洗い乾燥機の上手な使い方
同じ条件のもとでは手洗いよりも光熱費や水道代が節約できる食器洗い乾燥機ですが、使い方次第ではさらにコストをカットすることも可能です。以下の点を実行すると、確実に光熱費がカットできます。
- 給湯接続が出来るタイプの食器洗い乾燥機を選ぶ。
- ある一定量の食器をまとめて洗うようにする。
- 乾燥機能は使用せずに、余熱で乾燥させる。
- 電気料金の割安な深夜時間帯を利用して洗う。
工夫次第ではさらに光熱費が節約できる食器洗い乾燥機。家事の時間が短縮でき、家族の団らん時間が増えるといった無視できない副次効果が見込める家電を上手く使いこなして、省エネを実現させましょう。