液化天然ガス(LNG)とは?

LNGtanker

日本にとって貴重なエネルギー資源である液化天然ガス。液化天然ガスがどのようなものなのか分かりやすく解説します。

液化天然ガス(LNG)とは?

液化天然ガス(LNG)とは?

都市ガスになくてはならない液化天然ガス

液化天然ガス(Liquefied Natural Gasの頭文字をとり、LNGとも呼ばれる)とは、気体である天然ガスを冷却し、液化したものをさします。天然ガスを液化したもの。それが液化天然ガスです。

そもそも天然ガスとは、動物や植物の死骸が長い年月をかけて分解されることでできた化石燃料から得られるガスのことを指します。その成分はメタンがほとんどです。

液化天然ガスは硫黄を含まないため、燃焼時に硫黄酸化物(Sox)が発生されません。窒素酸化物(NOx)も石油や石炭に比べるとその発生量はとても低くなっています。硫黄酸化物(Sox)や窒素酸化物(Nox)は大気汚染の原因とされています。これが硫黄を含む石油や石炭に加えて、天然ガスがよりクリーンなエネルギーと呼ばれる所以です。これを-162℃まで冷却して液化することで液化天然ガスとなります。

油田やガス田から生産される天然ガスが最も一般的な天然ガスですが、これ以外にもタイトサンドガス、シェールガス、コールベッドメタン(炭層メタン)やメタンハイドレートなどがあります。メタンハイドレートは効率的にガスを得る技術が確立されていないため、まだ商業化はされていませんが、技術開発は進められています。

液化天然ガスは火力発電所の燃料として、また、都市ガスで使われており、日本にとって非常に大切なエネルギー資源です。

液化天然ガス(LNG)の輸入先と輸入量

天然ガスの輸入先としては、現在オーストラリアがナンバーワンとなっています。カタールやUAEからの輸入もありますが、石油に比べると中東依存度は低くなっています。

世界最大のLNG輸入国は日本

世界で一番LNGを輸入しているのは日本です。その次が韓国、続いて、中国、台湾となっています。

日本の輸入量はLNGを輸入している全世界の国々のうち36.2%を占めています。

世界最大のLNG輸入国は日本世界最大のLNG輸入国は日本
天然ガスの輸入先
順位 天然ガス輸入国 割合(%)
1 オーストラリア 20.9
2 カタール 18.4
3 マレーシア 17.1
4 ロシア 9.8
5 インドネシア 7.5
6 UAE 6.0
7 ブルネイ 5.4
8 オマーン 4.8
9 ナイジェリア 4.4
10 その他 5.5%
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さらに輸入元としては、電力会社が62.7%、32.7%となっています。天然ガスといえばガス会社と思いがちですが、天然ガスは、電気をつくるための原料としても多く活用されているという背景から電力会社も大量に輸入をしています。

天然ガス輸入
LNG輸入量(2010年度)
  会社名 トン
電力会社 東京電力 2079
中部電力 1045
関西電力 479
東北電力 288
九州電力 268
中国電力 233
四国電力 36
ガス会社 東京ガス 1069
大阪ガス 713
東邦ガス 303
静岡ガス 115
西部ガス 40
広島ガス 38
仙台市ガス局 15
日本ガス 12
その他 324
輸入量合計 7056

輸入方法

すでに述べた通り、液化されることにより天然ガスは、その容積が600分の1になります。日本は島国ですので液化天然ガスはタンカー載せられ海を渡って日本に届けられます。日本に届いた液化天然ガスは、1次基地にて保存されます。現在日本には31の1次基地が存在しており、今後も増やす計画があります。LNGの輸入者同様に、1次基地の所有者は、電力事業者と一般ガス事業者(都市ガス事業者)で全体の8割をカバーしています。

日本にある液化天然ガス(LNG)基地
基地所有会社 一般ガス事業者 電気事業者 一般ガス・電気事業者
共有

その他
(石油会社など)

基地数 12 8 5 6
タンク数 44 47 65 25

LNGの価格のメカニズム

それではLNG液化天然ガス)の輸入価格はどのように決められているのでしょうか。LNGの主な市場は、アジア、ヨーロッパ、北米の3つです。アジアの場合は、日本、韓国、台湾が多くの天然ガスを輸入しています。ヨーロッパの場合はフランス、スペイン。そして北米の場合、もちろんアメリカで、トリニダード・トバコやエジプトから輸入しています。 一方価格に関しては、共通のメカニズムがあるわけではなく、各市場によって独立しています。日本のようなアジア地域では、LNGは石油の代替燃料ともともと考えられていたため、原油輸入価格(JCC:Japan Crude Cocktail)に連動しています。JCCのアップダウンがLNGの価格にも影響するような形になっています。 ヨーロッパではガスはパイプランでも気体のまま提供されており、自ずとLNGの価格はパイプライン価格と競合する形で価格が決められます。北米の場合はヘンリー・ハブと呼ばれる市場価格とリンクをしています。

LNGが注目される理由

LNGは化石燃料のうち、CO2の排出量が最も少ないことから、クリーンなエネルギーとして注目されています。さらにその成分に硫黄を含まないため、大気汚染の原因となる硫黄酸化物(Sox)が発生されないのも大きな長所です。

また、コージェネレーションシステムに必要な水素の原料としてもガスが使用されるためさらに重要度が高まっています。またシェール革命により今まで採取が困難で頁岩(シェール)層にあった天然ガスが技術向上により、より効率的に採取できるようになったことや、商業化はされていませんが、メタンハイドレートと呼ばれる天然ガスが発見されたことにより、ガス田・石油田以外からとれる天然ガスへの依存が減り、価格交渉の際に今後有利になるとも考えられています。

  • 環境性が高い:CO2の排出量が、石炭や石油に比べて少ない。
  • 輸入のリスクが分散:石油とは対照的に、輸入元が特定の地域にに集中していない。
  • 埋蔵量が高い:埋蔵量が高く、世界の需要の50年以上あると見積もられています。
  • 水素エネルギー社会にむけて:排熱ロスが低く、CO2の排出の少ないコージェネレーションシステムに使用される一次エネルギーは天然ガス。