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新規参入する電力小売業者と契約しても大丈夫?

2016年4月から電力の小売が全面自由化されますが、新たに参入してくる新電力に切り替えても、これまでと同じように支障なく電力が使えるのか、ちょっと不安もあります。新電力と契約しても大丈夫なのか、停電しやすくなったりしないのか、調べてみました。

電力供給の仕組みは自由化後、どう変わるのか?

新電力と契約しても大丈夫?

赤が発電事業、青が送配電事業、緑が電力小売事業に相当。

電気の供給には、電気の発電、発電した電気を変電所まで送る「送電」、そして変電所まで送られてきた電気をさらに家庭など実際に電気が使われる場所まで送る「配電」の3つの作業があります。現行システムでは、各管轄地域の電力会社が電気の発電から送電、配電までを一貫体制で行ってきまました。

しかし、全面自由化後には、この電力の供給システムが三つの事業に分かれます。すなわちまず電気を作り出す「発電事業」、次に作られた電気の送電・配電を担う「送配電事業」、そして三つ目は消費者に電気を販売する「電力小売事業」です。 新電力と呼ばれる新たに家庭用電力小売事業に参入する電気事業者は、このうちの「発電事業」と「電力小売事業」のどちらか、または両方を行ないます。

一方の「送配電事業」は、今後も引き続き各地域の電力会社が行います。ただし、2015年6月に成立した改正電気事業法により、大手電力会社の送配電部門を発電部門から切り離す「発送電分離」が、2020年4月に行われることが決まりましたので、いずれは電力会社も送配電部門を子会社化するなどして、切り離さなくてはなりません。

つまり、全面自由化後に新電力と契約を結ぶということは、普通のショッピングにたとえるなら、流通業者を変えずに電気を買う店を変えるだけ、あるいは商品製造元と商品を買う店を変えるだけということになります。

電力の品質は切替後も同じ

新電力と契約しても大丈夫?

電力を運ぶための電線およびその支持物・付帯設備を含む電力設備である電線路を形成する電線のうち、送電網におけるものは送電線、配電網におけるものは配電線と呼んで区別されている。写真は鉄塔に配された送電線。

このように、発電された電気を送電・配電する配電事業は全面自由化後もこれまでと変わらないので、新電力と契約をしても、突然停電が頻繁に起こるようになったというようなトラブルは無いといえます。さらに、2015年4月より設立された電力広域的運営推進機関が電気事業の広域的運営を推進しているように、たとえどこかの発電所が停止する事態となっても電力不足にならないよう、ネットワーク全体でバックアップする体制が整備されています。したがって、万が一新電力のある発電所で問題が起こっても、その新電力と契約している世帯のみが停電になる、というようなことはありません。

唯一の例外は、落雷などによる停電の場合です。ただし、この場合は従来の電力会社と契約していても、新電力と契約していても、雷電の影響を受け地域では停電しますので、新電力の電力クオリティーとはなんら関係のないことは明白でしょう。

また、すでに電力の自由化は2000年に始まっていますので、来る全面自由化で低圧電力市場にも参入する新電力は、すでに特別高圧や高圧の電気需要家への配電事業で実績を築いてきた会社がほとんどです。自由化が低圧電力の需要家にまで拡大されるにすぎません。つまるところ、電力小売の全面自由化は新しい電力供給法でありながら、送配電に関しては従来の発電所や仕組みを活用したものなので、安心して新電力と契約して大丈夫です。