自然電力のでんき | 電気料金プラン、申し込み方法、メリット・デメリット
公式サイト自然電力は、環境負担の少ないエネルギー提供を目指す新電力です。自然電力のでんきの料金プランは市場価格連動性で、常に変動しています。そのちょっと珍しい料金体系や、平均的な単価について調べてみました。申し込み方法や解約条件、会社情報もご紹介します。
自然電力について
自然電力は2011年6月に福岡県で誕生した会社です。風力発電を行う会社で働いていた3人の若者が、「より良い未来を作るために自然エネルギーを広げたい」という思いからたち上げました。
自然電力は、太陽光発電・風力発電をはじめとする自然エネルギー発電所の開発設計、そして運営を行っています。自然電力グループが設立した発電所は全国70箇所以上に及びます。
自然電力は2017年から電力小売り事業に参入し、「自然電力のでんき」の販売を開始しました。現在、沖縄を除く全国で電気の供給をしています。
自然電力のでんき:電気料金プランの特徴
自然電力のでんきは、沖縄県や離島を除く全国で供給されています。電気料金プランは以下のとおり3つ用意されています。
Shizen Energy Debut (SE Debut)
電力使用量(kWh)の3%分の非化石証書(再エネ指定)を購入することで、実質的に自然エネルギー3%の電気を供給するプラン。
Shizen Energy 30% (SE 30%)
電力使用量(kWh)の30%分の非化石証書(再エネ指定)を購入することで、実質的に自然エネルギー30%の電気を供給するプラン。
Shizen Energy 100% (SE 100%)
電力使用量(kWh)に応じた非化石証書(再エネ指定)を購入することで、実質的に自然エネルギー100%の電気を供給するプラン。
また、自然電力のでんきでは、電気代の1%が自然エネルギーを増やすために使われます。具体的には、電気代の1%が一般社団法人自然基金を通じて、自然エネルギー発電所を建設するための投資などに使われることになります。
非化石証書とは?
太陽光発電や風力発電などは、電気を作る過程で地球温暖化の原因であるCO2を排出しません。これらの電気には、「部屋を明るくすることができる」というような電気そのものの価値に加えて、「環境にやさしい」という価値があります。この価値は「環境価値」と呼ばれます。しかし、当然ながら環境価値(環境にやさしいということ)は目に見えません。この環境価値を証書として可視化したものが非化石証書です。
2018年5月から、環境価値は非化石証書として非化石価値取引市場で販売されるようになりました。非化石証書は電気と同じように、1kWhあたりxx円という単位で売られています。
非化石証書の売上は、私たちが支払っている「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と同じように、再生可能エネルギー(再エネ)の買い取りに充てられます。再エネが安定的に買い取りされるようになれば、電力会社が再エネをつくりやすい環境が整うため、日本における再エネ発電も増えていきます。つまり、非化石証書の買い取りによって、再生エネ促進とCO2削減に貢献することになるのです。
なお、自然電力が買い取っている非化石証書(再エネ指定)は、太陽光・風力・地熱・バイオマス・小水力などによって発電された電気の環境価値となります。
自然電力のでんき:電気料金プランの構成
自然電力のでんきの電気料金の構成は、一般的な電気料金プランとはちょっと異なります。
両方を並べて、どのように違うか確認してみましょう。
まずは、一般的な電気料金プランの料金体系から確認します。
比較:一般的な電気料金プラン
一般的な電気料金プランは、以下の4つの要素で構成されています。
- 基本料金(最低料金)
- 従量料金(電力量料金)
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
基本料金(最低料金) |
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従量料金(電力量料金) |
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燃料費調整額 |
|
再生可能エネルギー促進賦課金 |
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比較:自然電力のでんき
一方、自然電力のでんきにおいて、電気代は以下の3つの要素で構成されます。
- 基本料金
- 従量料金
- 再生可能エネルギー促進賦課金
基本料金 |
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従量料金 |
自然電力では、従量料金が以下のように3つに分けられている。 多くの電力会社とは違い、従量料金の単価は1段階で設定されている。 |
1.電気を送る費用
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2.事業を行う費用
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3.電気を買う費用
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再生可能エネルギー促進賦課金 |
再エネの割合を増やすために支払う料金。すべての電気契約家にかかる料金であるため、上記の一般的な電気料金プランと同じ金額がかかる。 |
自然電力の電気料金プランと一般的な電気料金プランとの一番の違いは「電気の調達にかかる料金の調整のしかた」です。一般的な電気料金プランでは「燃料費調整額」によって、自然電力のでんきでは、従量料金の「電気を買う費用」によって、電気調達にかかるコストを調整しています。
なお、「燃料費調整額」は過去3か月間の燃料価格の変動に基づいて計算されているのに対して、「電気を買う費用」は前日のJEPXの取引価格に連動しています。なので、このふたつは関係なく、変動幅も連動しないということに留意しましょう。
自然電力のでんき:料金表
自然電力のでんきでは、従量料金部分がコンスタントに変動するため、実際にかかる電気料金をここでご紹介することは残念ながらできません。
この記事では、およそどのくらいの料金設定になっているかを知るために、関東エリアのプランについて、平均的な従量料金を算出して以下にご紹介します。ただし、実際に請求される従量料金とは異なることにご注意ください。
以下の表中の自然電力のでんきの従量料金は「電気を送る費用・事業を行う費用・電気を買う費用」の合計を示しています。
自然電力のでんきの電気料金についてもっと詳しく知りたい方は公式サイトにてご確認ください。また、現在大手電力会社の従量電灯、低圧電力プランを契約中の方は、公式サイトから電気料金のシミュレーションをすることも可能です。
自然電力の公式サイト
基本料金(円/月) | ||||
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自然電力 SE Debut |
自然電力 SE 30% |
自然電力 SE 100% |
東京電力 従量電灯B |
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10A | 143.00円 | 286.00円 | ||
15A | 214.50円 | 429.00円 | ||
20A | 286.00円 | 572.00円 | ||
30A | 429.00円 | 858.00円 | ||
40A | 572.00円 | 1144.00円 | ||
50A | 715.00円 | 1430.00円 | ||
60A | 858.00円 | 1716.00円 | ||
従量料金(円/kWh)※目安※ | ||||
0kWhから120kWhまで | 23.27円 | 23.78円 | 24.77円 | 19.88円 |
120kWhを超えて300kWhまで | 26.48円 | |||
300kWhを超える | 30.57円 |
※自然電力の従量料金:自然電力が発表している2016年4月1日~2019年3月31日までの、平日・休日の1時間ごとの平均従量料金単価に基づいて平均的な従量料金を計算しています。
※東京電力の従量電灯Bプランには、ここに月の燃料費調整額が加算もしくは減算されます。
※自然電力、東京電力ともに、再エネ賦課金が加算されます。
関東エリアのすべてのプランにおいて、自然電力の基本料金は東京電力の半額に設定されていることがわかります。なお、他のエリアについても、自然電力の基本料金はそれぞれのエリアにある大手電力会社の従量電灯プランより安く設定されています。
東京電力の従量料金が使用量に比例して段階的に高くなっていくのに対して、自然電力の従量料金は一段階に設定されています。電気の使用量が多くなればなるほど、東京電力よりも自然電力の方がお得になるということがわかります。他エリアについても同様の料金設定です。
季節などによる従量料金の変動
自然電力の従量料金は30分ごとに変動しますが、季節や平日・休日による傾向があります。関東エリアを例にとってその傾向を確認してみましょう。SE 30%プランを参考にします。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|
25.99円 | 26.82円 | 23.80円 | 22.78円 | 22.99円 | 23.04円 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
26.90円 | 26.37円 | 23.62円 | 23.27円 | 23.40円 | 24.27円 |
※自然電力が発表している2016年4月1日~2019年3月31日までの、平日・休日の1時間ごとの平均従量料金単価に基づいて、月毎の平均的な従量料金を計算しています。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|
23.22円 | 24.17円 | 22.61円 | 21.26円 | 21.02円 | 21.35円 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
22.40円 | 22.20円 | 21.68円 | 21.32円 | 21.85円 | 22.48円 |
※自然電力が発表している2016年4月1日~2019年3月31日までの、平日・休日の1時間ごとの平均従量料金単価に基づいて、月毎の平均的な従量料金を計算しています。
こうして平均料金を並べてみると、
- 平日の方が休日よりも単価が高い
- 夏・冬の単価が高い
という傾向があることがわかります。さらに、ここではご紹介できませんでしたが、一日の中では夕方から夜にかけて単価が上がる傾向があるようです。自然電力を契約する場合は、これらの傾向に注意して電気の使い方を工夫すると良いでしょう。
自然電力のでんき:メリット・デメリット
ここまでで見てきた自然電力の特徴を考慮して、自然電力のでんきのメリット・デメリットをまとめてみました。
自然電力のでんき:メリット・デメリット一覧
環境への負担軽減に貢献できる
自然電力のでんきの一番のメリットは、環境に配慮したエネルギーであることでしょう。
自然電力のでんきを選ぶことによって、電気代の1%と、プランに応じて購入される非化石証書を通して、再生可能エネルギーの促進、そしてCO2の削減に貢献できます。日常的に電気の消費を行う中で、少しでも環境への負担を減らしたいと考えている方にはぜひ自然電力のでんきのご利用をおすすめします。
電気使用が多い家庭で電気代がお得になる
上で確認したとおり、自然電力のでんきは大手電力会社の従量電灯プランと比べて、電気使用量が多い場合の従量料金単価が割安に設定されています。したがって、電気の使用量が多いご家庭では、大手電力会社の従量電灯プランから自然電力のでんきに切り替えることで、電気代をお得にできる可能性が高いと言えます。
オール電化プランがない
自然電力のでんきにおいては、残念ながらオール電化住宅に対応したプランがありません。そのため、オール電化住宅にお住まいの場合は自然電力にすることで電気代が上がってしまうでしょう。
電気使用量の少ない家庭で電気代が高くなる
メリットで「電気使用量が多いとお得になる」と説明しましたが、反対に、電気使用量が少ない場合、大手電力会社の従量電灯プランから自然電力のでんきに切り替えることで電気代が上がってしまう可能性があります。大手電力会社の従量電灯プランと比べて、電気使用量が少ない場合の従量料金が割高に設定されているためです。一人暮らしなどで電気使用量が少ないご家庭では、この点に注意して契約を検討するようにしましょう。
自然電力のでんき:申し込み
自然電力のでんきはWebサイトもしくは電話で申し込みをすることができます。
申し込み手続きの際、住所や連絡先の他、以下の情報が必要になります。
電力会社の切り替えの場合は、契約中の電力会社に関する情報(プラン・契約容量・お客様番号・供給地点特定番号など)が求められます。検針票に記載がありますので、お手元に準備しておきましょう。また、検針票がない場合、電力会社のお客様ページなどで確認、もしくは電力会社に問い合わせをします。
引っ越し先の電気を申し込む場合は、入居予定日がわかっている必要があります。ただし、予定日が直近に迫っている場合、電気の供給開始が間に合わないこともあります。引っ越しの場合はなるべく早めに手続きを行うようにしましょう。
なお、自然電力のでんきの支払い方法はクレジットカード払いのみになります。手続きの際には支払い情報も必要になりますから、カードをお手元に準備しておきましょう。
Webサイトで申し込む | ![]() |
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電話で申し込む | 0120-561-797 受付:平日午前9時-午後5時30分(土日祝日、年末年始を除く) |
解約に関する条件
電気の契約をする際に気になるのは、契約期間や解約金などのしばりがあるかどうか、ということではないでしょうか。
その点、自然電力のでんきは契約期間中に解約を行う場合でも、解約金が発生しないため安心です。
なお、自然電力のでんきの契約期間は供給開始日以降の1年間です。解約の申し出がない限り、それ以降も契約は1年ごとに自動更新されます。
自然電力の会社概要
自然電力のでんきを供給する自然電力株式会社の概要は以下のとおりです。
社名 | 自然電力株式会社 (Shizen Energy Inc.) |
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本社 | 〒810-0062 福岡県福岡市中央区荒戸1-1-6 福岡大濠ビル3F(総合受付)/ 6F |
TEL/FAX | 092-753-9834 / 092-753-9073 |
代表取締役 | 磯野謙、川戸健司、長谷川雅也 |
設立 | 2011年6月 |
資本金 | 607,149,150円 (資本準備金含む)(2019年5月末時点) |
事業内容 |
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地域オフィス・事業所 |
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