【動画で解説】電気料金の計算方法を理解する

一般的に電気料金プランがどのような要素で構成されているか、ひと月の電気代はどのように計算するのかをご紹介します。電力会社の比較にも役立ちますので、ぜひご確認ください。
電気料金の構成
一般的に、電気料金は次のような要素で構成されています。ひとつずつ確認していきましょう。
- 基本料金(最低料金)
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
基本料金(最低料金)
基本料金(最低料金)は、電気の使用量にかかわらず、毎月固定でかかる料金です。
基本料金の金額は会社によって異なりますが、多くの会社が「アンペア制」もしくは「最低料金制」のどちらかに基づいて金額を決定しています。
アンペア制
アンペア制の場合、基本料金の金額は契約電流の大きさ、つまりアンペア(A)容量の大きさによって決まります。以下の例のように、アンペア数が大きくなるのに比例して基本料金の金額も高くなります。
契約アンペア容量 | 基本料金(円/月) |
---|---|
10A | -円 |
15A | -円 |
20A | -円 |
30A | -円 |
40A | -円 |
50A | -円 |
60A | -円 |
アンペア制を採用している大手電力会社北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・九州電力
最低料金制
最低料金制の場合、基本料金が最低限の電気使用量を含めた金額で計算されています。例えば、四国電力の従量電灯Aでは「1契約あたり、最初の11kWhまで411.40円」という風に基本料金が設定されています。ちなみに、基本料金に含まれている最低限の使用量(例えば四国電力の場合は11kWh)を超えた分は、使用量に応じて電力量料金を支払うしくみです。
なお、最低料金制を採用している場合、名称自体が「基本料金」ではなく「最低料金」とされていることがほとんどです。
最低料金制を採用している大手電力会社関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力
基本料金0円の会社もある電力自由化以降、Looopでんきのように、基本料金0円のプランを提供する電力会社も出てきています。基本料金がかからないため、アンペア容量が大きいご家庭などはお得に成りやすいと言えます。気になったらぜひチェックしてみましょう。 Looopでんきの電気料金プランを見る
電力量料金
電力量料金は、電気の使用量に応じてかかる料金です。従量料金とも呼ばれます。
1kWhあたりの単価が設定されており、この単価に1か月の電気使用総量(kWh)をかけて電力量料金を計算します。
多くの電力会社において、電力量料金の単価は電気の使用量が増えるにつれて段階的に高くなるように設定されています。なお、以下の例のように3段階制で設定されていることが一般的です。
電力使用量 | 1kWhあたりの電力量料金(円/kWh) |
---|---|
0kWhから120kWhまで | -円 |
120kWhを超えて280kWhまで | -円 |
280kWhを超える | -円 |
燃料費調整額
燃料費調整額は、電気を作るのに必要な燃料の調達にかかる費用の変動を迅速に電気代に反映させる役割をはたしています。
電気を作る燃料である石油、液化天然ガスなどの燃料は大半が輸入によってまかなわれており、価格が世界情勢や為替レートに影響を受けて絶えず変動しています。この変動が燃料費調整額によって電気代に反映されます。
燃料費調整額は「1kWhあたりxx円」という風に決められており、燃料費が上がればプラスに、燃料費が下がればマイナスになって電気代に影響を与えます。
燃料費調整額は毎月変動し、そして電力会社によって異なります。ただし、多くの新電力は同じ地域にある大手電力会社と同じ金額を設定しています。
例えば、2020年5月の北海道電力の燃料費調整額は-1.36円でした。仮に使用量が300kWhだった場合、この月は燃料費調整額が -408円(=-1.36円×300kWh)となります。
燃料費調整額がない電力会社もある燃料費調整額を設ける代わりに、電力量料金を毎月変更することによって、燃料の調達にかかるコストを調整しているジニーエナジーのような電力会社もあります。
ジニーエナジーの電気料金プランを見る
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)とは、再生可能エネルギーの普及を促進するためにすべての電気使用者が支払っている税金のようなものです。毎年国によって金額が設定されて、電力会社への電気代の支払いを通じて徴収されています。
支払った再エネ賦課金は、太陽光・水力・風力発電などの再生可能エネルギーを電力会社が買い取る再の費用の一部として使われます。
1kWhあたりの単価が設定されており、ここに電気使用総量をかけて算出されます。なお、2020年5月分~2021年4月分の1kWhあたりの再エネ賦課金は2.98円です。1か月に300kWhの電気を使用した場合、支払う再エネ賦課金の総額は894円(=2.98円×300kWh)となります。
電気料金の計算方法
電気料金の構成を確認したところで、今度は実際に電気代を計算してみましょう。以下の二つの料金体系のプランに基づいて、それぞれ計算します。
- 基本料金がアンペア制の場合
- 基本料金が最低料金制の場合
基本料金がアンペア制の場合
大手電力会社の中では、東京電力などが基本料金にアンペア制を導入しています。東京電力で最もスタンダードな「従量電灯Bプラン」を使って、以下の設定で計算してみましょう。
- 東京電力 従量電灯Bプラン
- 契約アンペア容量30A
- 2020年5月分の電気代、320kWhの電気を使用
従量電灯Bプランの料金表は次の通りです。
契約アンペア容量 | 基本料金(円/月) |
---|---|
10A | 286.00円 |
15A | 429.00円 |
20A | 572.00円 |
30A | 858.00円 |
40A | 1144.00円 |
50A | 1430.00円 |
60A | 1716.00円 |
電気使用量 | 1kWhあたりの電力量料金(円/kWh) |
---|---|
0kWhから120kWhまで | 19.88円 |
120kWhを超えて300kWhまで | 26.48円 |
300kWhを超える | 30.57円 |
この料金表をもとに、それぞれの構成要素は以下のように計算されます。
基本料金
30A = 858.00円
電力量料金
合計電力量料金 = 2385.6 + 4766.4 + 611.4 = 7763.4円
- 120 x 19.88 = 2385.6
- 180 x 26.48 = 4766.4
- 20 x 30.57 = 611.4
燃料費調整額
2020年5月分燃料費調整額 = -2.04円/kWh
-2.04 x 320 = -652.8円
再生可能エネルギー発電促進賦課金
2020年5月分~2021年4月分 = 2.98円/kWh
2.98 x 320 = 953.6円
1か月の電気代
1か月の電気代は、4つの要素を合計して求められます。
858.00円 + 7763.4円 + -652.8円 + 953.6円 = 8922.2円
なお、小数点未満は切り捨てとなるため、この場合の1か月の電気代は8922円となります。
基本料金が最低料金制の場合
大手電力会社の中では、関西電力などが最低料金制を導入しています。関西電力で最も代表的な「従量電灯Aプラン」を使って、以下の設定で計算してみましょう。
- 関西電力 従量電灯Aプラン
- 2020年5月分の電気代、320kWhの電気を使用
従量電灯Aプランの料金表は次の通りです。
最低料金(円/月) | |
---|---|
1契約あたり15kWhまで | 341.01円 |
電気使用量 | 1kWhあたりの電力量料金(円/kWh) |
---|---|
15kWhを超えて120kWhまで | 20.31円 |
120kWhを超えて300kWhまで | 25.71円 |
300kWhを超える | 28.70円 |
この料金表をもとに、それぞれの構成要素は以下のように計算されます。
最低料金
1契約あたり、15kWhまで = 341.02円
電力量料金
合計電力量料金 = 2133.6 + 4644 + 585.8 = 7363.4円
- 105 x 20.32 = 2133.6
- 180 x 25.80 = 4644
- 20 x 29.29 = 585.8
※最初の15kWhは最低料金に含まれていることに注意しましょう。
燃料費調整額
燃料費調整額 = -1.73 +(-0.12)×(320-15)= -38.33円
- 1契約につき最初の15kWhまで(2020年5月分) = -1.73円
- 15kWhを超える1kWhにつき(2020年5月分) = -0.12円
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金 = 44.70 + 2.98 ×(320-15)= 953.6円
- 最初の15kWhまで(2020年5月分~2021年4月分) = 44.70円
- 15kWhを超える1kWhにつき(2020年5月分~2021年4月分) = 2.98円
1か月の電気代
1か月の電気代は、4つの要素を合計して求められます。
341.02円 + 7363.4円 + -38.33円 + 953.6円 = 8619.69円
なお、小数点未満は切り捨てとなるため、この場合の1か月の電気代は8619円となります。
電気料金の計算・まとめ
以上、電気料金の計算方法について確認しました。多くの電力会社がアンペア制・最低料金制の料金体系をとっていますから、この2つの計算方法がわかれば1か月の電気代がいくらになるか、ご自身でシミュレーションしてみることが可能になります。
また、セレクトラでは電気料金のシミュレーションと比較ができるツールを提供しています。電力会社の切り替えなどの際にはぜひご活用ください。
シンプルかつ簡単に計算できる電気料金プラン
ここまでで、基本的な電気料金プランの計算式について見てきました。基本料金の値段がアンペアによって変わったり、電力量料金が3段階になっていたりと、少し計算が複雑ですね。しかし、電力自由化によりさまざまな電力会社が業界に参入したことによって、「基本料金0円、電力量料金1段階」のような分かりやすくシンプルな電気料金を設定している会社も多数あるので安心してください。
これから電力会社の切り替えを検討しているのであれば、できるだけ多くの会社の電気料金システムをチェックして、シンプルかつ分かりやすいところを選んでみてはいかがでしょうか。
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