電気料金の比較は難しくない - 自分で電気料金を比較する方法

今の電気料金よりも安いところを探しているが、きちんと比較ができているのか分からない。本当にその電力会社に切り替えることで毎月の電気料金を安くすることができるのか少々不安というかたに自分で正しく電気料金を比較する方法を伝授します。
電気料金の比較・具体的に何を比較すればいいの?
電気料金の比較においてチェックすべきポイントは、、「基本料金もしくは最低料金」と「従量料金(電力量料金)」の2つです。これらの項目のうち、両方もしくはいずれかが現在の電気料金プランよりも安く設定されているか見てみましょう。料金表を見て、この2項目を比べることで自分で電気料金を比較することができます。
- 電気料金の比較方法
- 「基本料金もしくは最低料金」を比較してみる。
- 従量料金(電力量料金)を比較する。
大多数の人が契約している「従量電灯プラン」で具体的に見てみましょう。
従量電灯プラン(アンペア容量)
アンペア容量ごとに定められた「基本料金」と「従量料金(電気1kWhあたりの料金単価)」で構成されています。これらの料金を他社と確認してみましょう。従量電灯B(基本料金がアンペア制になっている)は、東京電力EP、北海道電力、東北電力、北陸電力、中部電力、九州電力で採用されています。
以下の表では、東京電力の従量電灯Bの金額を採用しています。
アンペア 容量 |
基本料金 |
基本料金を比較
|
---|---|---|
10A | 286.00円 | |
15A | 429.00円 | |
20A | 572.00円 | |
30A | 858.00円 | |
40A | 1144.00円 | |
50A | 1430.00円 | |
60A | 1716.00円 | |
電気の使用量 | 電力量料金(1kWhあたりの料金) |
1kWhの料金単価を比較
|
0 - 120kWh | 19.88円 | |
300kWh 以上 |
30.57円 |
従量電灯プラン(最低料金)
「最低料金」と「従量料金(電気1kWhあたりの料金単価)」で構成されています。一定の電気の使用量(kWh)分が最低料金に含まれています。従量電灯A(基本料金がアンペア制になっている)は、関西電力、四国電力、中国電力で採用されています。
以下の表では、関西電力の従量電灯Aの金額を採用しています。
最低料金 | 341.01円 (15kWhの使用まで) |
最低料金を比較
|
||
---|---|---|---|---|
電力量料金 (1kWhあたりの料金) |
15 - 120kWh (1段階目) |
20.31円 |
1kWhの料金単価を比較
|
|
120 - 300kWh (2段階目) |
25.71円 | |||
300kWh以上 (3段階目) |
28.70円 |
法人や店舗の場合の電気料金の比較方法
従量電灯プランの場合
法人や店舗・商店・オフィスなども、電気料金の比較方法は変わりありません。店舗・オフィスでも規模がさほど多きなければ、一般家庭で契約されているものと同じ料金プラン(従量電灯プラン)を契約しているためです。
基本料金の部分が、アンペア容量別になっているか、最低料金になっているか、もしくは1kVAあたりいくらになっているかなど際はありますが、この金額を比べましょう。
従量料金1kWhあたりの料金も今契約中のものよりも、安くなっているのかを調べることで比較ができます。
動力プランの場合
大型のモーターや、大型の空調機を利用する工場などでは、「従量電灯」ではなく、「動力プラン」を契約しています。
新電力の中にも電力プランを提供しているところは多くあります。しかしながら、すべての新電力が動力プランを提供しているわけではないので、まずは動力プランの提供のある電力会社を探す必要があります。
高圧・特別高圧の場合
大規模な商業施設やビルの場合は、高圧・特別高圧の契約となっています。
高圧・特別高圧の場合は、複数社から見積もりをとり比較をしましょう。過去1年間の明細を送り、使用量や使用のピーク時間を確認してもらい、それにそって見積もりを作成してもらいます。
一括見積りサービスを利用が便利です。複数社と何度もやり取りをするという手間が軽減されます。
高圧・特別高圧の一括見積り高圧・特別高圧の料金プランは、オンラインでの見積もり比較が可能です。(エネチェンジBizのページへ移動します。)
高圧・特別高圧の電気料金を比較
電気料金の比較が複雑と考えられる理由と対応方法
従量料金の部分を計算するのが面倒
電気料金の比較において、本当に正しく比較できているのか分からない、本当に安くなっているのか不安という声がセレクトラの実施したアンケートでも多く聞かれます。
これはもともとの大手電力会社の従量料金が使用量に応じて3段階になっているのが理由と考えられます。使用量が300kWh以上だと3回掛け算をしなくてはいけないため少し面倒です。
従量料金箇所の計算方法 - パターン1

仮に今月360kWh(キロワットアワー)を電気を消費したとしてどのように計算するのかみてみましょう。
1段階目、120kWhまでの消費の箇所を計算します。120kWh×1段階目の料金単価になります。。次に、2段階目部分は、180kWh(=300-120)に2段階目の料金単価をかけます。。そして最後3段階目は、残りの60kWh(=360-300)に3段階目の料金単価を掛けます。
1段階目(120kWhまで)を計算 ... 120kWhに1kWhあたりの料金単価をかける 2段階目(120kWhから300kWhまで使用分)を計算 ... 180kWh(300-120)に1kWhあたりの料金単価をかける 1段階目(300kWh以上の使用分)を計算 ... 60kWh(360-300)に1kWhあたりの料金単価をかける
料金表をみると消費量が増えるほど1kWhあたりの料金単価があがることが分かります。新電力では、この部分をかなり安く設定しているケースが多くあります。
従量料金箇所の計算方法 - パターン2

関西電力・中国電力・四国電力では、最低料金のなかに、一定の電気の使用量分が含まれています。
それ以降は、1kWhあたりの料金単価はその月のトータルの使用量によって3段階に分かれています。
今月360kWh(キロワットアワー)消費した場合は、どのように計算されるのでしょうか?
1段階目だけ少し注意しましょう。120kWhからマイナス15kWhした105kWh(=120-15)に1段階目料金単価を掛けます。次に、2段階目に該当するのは360kWhのうち180kWh(=300-120)ですから、これに2段回目の1kWhあたりの料金単価を掛けます。そして最後3段階目は、残りの60kWh(=360-300)に3段階目の料金単価を掛けます。 1段階目(120kWhまで)を計算 ... 120kWhに1kWhあたりの料金単価をかける 2段階目(120kWhから300kWhまで使用分)を計算 ... 180kWh(300-120)に1kWhあたりの料金単価をかける 1段階目(300kWh以上の使用分)を計算 ... 60kWh(360-300)に1kWhあたりの料金単価をかける
対策
上で見たような計算を自分でするのは手間がかかりますよね。しかし、多くの電力会社がこの計算を自動で行ってくれるシミュレーションツールを設けています。ですから、気になった電力会社があれば、その公式サイトでシミュレーションツールを使って確認してみると良いでしょう。
以下にお得な電気料金プランを提供している新電力の例を掲載しますので、気になる会社があるかどうかチェックしてみてくださいね。
ただし、「選択肢が多くて迷ってしまう」という方もいるでしょう。セレクトラでは、複数の電力会社の電気料金プランが簡単に比較できるシミュレーションツールを提供しています。ぜひご活用ください。
Looopでんき | |
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Looopでんきは基本料金ゼロ円、従量料金一段階のシンプルなプランを提供。極端に電気使用量が少ない方以外大手電力会社の従量電灯プランと比べて電気料金が安くなる。電気使用量が多いほどお得度が大きくなる。 ・供給エリア: 全国(沖縄除く) |
ソフトバンクでんき | |
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ソフトバンクでんきの「おうちでんき」は、インタ―ネットやモバイルプランとセットにすることで割引になる。通信費が1回線につき100円割引(最初の2年)になり、電気料金が大手電力の従量電灯プランと比べて1%安くなる。再生可能エネルギーを多く使った「自然でんき」も提供。 ・供給エリア: 全国(北陸除く) |
リミックスでんき | |
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リミックスでんきは大手電力会社の従量電灯プランより電気料金が5%オフになるプランを提供。電気の使用量が少ない人でも必ず安くなる。 ・供給エリア: 全国(沖縄除く) |
エルピオでんき | |
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プロパンガス会社のエルピオが提供するエルピオでんき。大手電力会社の従量電灯プランと比べて割安な料金設定のプランを提供。プラン設定は地域ごとに異なるため要確認。プロパンガスとのセット割を提供している地域もある。 ・供給エリア: 東北・関東・中部・関西・中国・四国・九州 |
あしたでんき | |
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あしたでんきの「標準プラン」は基本料金ゼロ円、従量料金一段階のシンプルプランで、電気使用量が多いほど大手電力会社の従量電灯プランと比べて割安になる。700kWh以上使用の方にお得な「たっぷりプラン」も用意。 ・供給エリア: 東北・関東・中部・関西・中国・四国・九州 |
エネワンでんき | |
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プロパンガス会社のサイサンが手掛けるエネワンでんき。大手電力会社の従量電灯プランと比べて割安な料金設定のプランを提供。プラン設定は地域ごとに異なるため要確認。プロパンガスとセットで月200円割引になる。 ・供給エリア: 北海道・東北・関東・中部・四国・九州 |
HTBエナジー(HISのでんき) | |
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HTBエナジー(HISのでんき)は、使用量が少なくてもお得になりやすいプランが充実。大手電力会社の従量電灯プランより最大8%お得になる。 ・供給エリア: 全国 |
他に比較しなくてはいけないポイントは?
電気料金を自分で比較する際に、本当に「基本料金」や「従量料金」だけをチェックするだけでいいのか?他に忘れている比較ポイントはないのか確認しましょう。
解約金はある?
新電力の中にはごく一部ですが、解約金を設けているところもありますから念のため確認するのが安心です。
しかしながら、新電力の解約金は、インターネットやスマホの解約金とは異なり、1年未満に解約した場合○○円かかります、といったシンプルなルールです。
支払い方法は?
新電力では、支払い方法をクレジットカードのみとしているところもあります。
なんらかの事情で、銀行振替でないといけないという制限がある方は、この点も数社比較して調べた方が良いでしょう。
「再生エネルギー促進賦課金」と「燃料費調整額」
大手電力・新電力関わらず、毎月の電気料金の支払いでは、「再生可能エネルギー促進賦課金」と「燃料費調整額」もかかっています。
「再生エネルギー促進賦課金」は政府が決定するもので、全国一律です。ですから、この額を各電力会社ごとで比較することは意味がありませんし、必要がありません。
「燃料費調整額」は、電力会社によって異なるものの、新電力はその地域の大手電力会社の設定する「燃料費調整額」そのまま同じ金額を採用しています。このため、この額も比較する必要はありません。
やはり、電気料金の比較では、「基本料金/最低料金」と「従量料金」の2点を比較するということで間違いありません。